23の映像作品からなる池田亮司の世界へ。最新個展が〈金沢21世紀美術館〉で開催中。
パリと京都を拠点に活動し、国内外から支持を集めるアーティスト・作曲家の池田亮司の個展が〈金沢21世紀美術館〉にて開催中。未発表のものを含む23の映像作品からなる新作インスタレーションを公開する。 【フォトギャラリーを見る】 2023年は「アート×新しいテクノロジー」をテーマに掲げている〈金沢21世紀美術館〉。そのテーマにちなみ現在、アーティスト・作曲家の池田亮司の個展が開催されている。電子音楽の作曲を軸として鑑賞者を取り込むパフォーマンスやインスタレーションを手がける池田。これまで国内の美術館のみならず、〈ポンピドゥー・センター〉や『ヴェネチア・ビエンナーレ』など国外でも展示を行い、世界的に活躍している。
〈金沢21世紀美術館〉で開催中の個展では、未発表のものを含んだ23もの映像作品から作り出した新作インスタレーション《 [nº6]》を展示。この作品は、2019年から2020年にかけて制作された、大規模オーディオビジュアルインスタレーション「data-verse」三部作を再構築して作られた新シリーズだ。
自然科学領域におけるビッグデータをもとに作品を制作してきた池田。今作でも、CERN (欧州原子核研究機構)やNASAといった機関が公開している、多様な研究のオープンソースから収集された自然科学データを再構築し視覚化・聴覚化している。 作品では3つの異なる世界の視点を提示している。1つに、人間の目では知覚できないミクロな世界。そこには素粒子や原子、ウイルス、DNA、細胞など、さまざまな要素が内包される。2つ目は、私たち人間がいるこの世界。脳や身体に始まり、インターネットや航空交通など、私たちの生きる世界に存在する事象を描き出す。そして、地球を飛び越えて太陽系、さらには銀河系や宇宙の果てまでを含むマクロの世界。鑑賞者はこの3つの世界を自由に行き来しながら、作品世界に浸っていく。
ミクロからマクロまでを行き来する池田亮司の新作インスタレーションで、世界への新たな視点を体験してみてほしい。
『特別展示:池田亮司』
〈金沢21世紀美術館〉石川県金沢市広坂1-2-1。~2024年5月12日。月曜(1月8日、2月12日は開場)、12月29日~1月4日、1月9日、2月13日、4月30日、5月7日休。一般450円ほか。
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