【あの人は今】スカッシュ松井千夏は47歳の現役選手「4年後のロサンゼルス五輪に出るためには...」
【エジプトでスカッシュは国技レベルの人気】 ── 特に東京オリンピックでは、正式競技に決まってほしかったのでは? 「そうですね。東京でスカッシュが種目に選ばれていれば、開催国枠で日本人選手が多く出られる可能性もありましたでしょうし......。リオもダメでしたし、毎回ギリギリで(選ばれず)悔しかったです。ただ、ロサンゼルスでスカッシュが正式競技に選ばれたのは今までの積み重ねがあってのことなので、地道に活動してきたことは無駄ではなかったと思いますね」 ── スカッシュは世界185カ国で2000万人がプレーしていると言われています。その発祥地であるイギリスをはじめ、ヨーロッパやアジア、そしてエジプトを筆頭とする中東でも人気があります。正式競技に選ばれたのも、その人気が広がっているからでしょうか。 「そうかもしれませんね。現在、男女ともにエジプト人選手が世界ランキング1位で、世界ランク10位以内にも4人ほどエジプト人選手が入っています。『スカッシュは国技』と言われているみたいですよ。日本の相撲みたいな感覚のようです」 ── 日本人の女子選手にも強い選手がいますね。 「渡邉聡美選手(25歳)ですね。彼女はスカッシュを始めた頃、私が拠点としていた北新横浜にある施設『SQ-CUBE(エスキューブ)』のジュニア育成スクールに入っていました。彼女は今、イギリスで練習していて、日本人選手として過去最高の世界ランキング13位。世界のトップ10やトップ5とも競った試合をしていて、自分ができなかったことをやっていてすばらしいと思います!」 ── 松井選手は世界ランク、最高で何位くらいだったのですか? 「私の最高は50位ぐらい。だから渡邉選手の13位はとてもすごいことです。海外をベースにして、メンタルも強いし、実力もあります。4年後のロサンゼルス五輪に向けて、ひとつひとつ積み上げていってほしいですね」 ── 松井選手は47歳となりましたが、再び本気でオリンピックを目指そうという気持ちにはならないですか? 「オリンピックに出るためには、日本国内の成績だけではなく、世界ランキングが必要になってきます。そのためには、国内で強化指定選手に選ばれないといけません。たぶん年齢制限もあるので、現実的には難しいかな......」