「ママ友が娘にチーズを与えてしまい救急搬送」食物アレルギー当事者の生きづらさとは…背景に“清潔すぎる”環境も?
■食物アレルギー防げる?「自己判断は避けて、早いうちに受診を」
食物アレルギーを治す手段はあるのか。岡本氏は「免疫療法があるが、まだ研究段階。患者に卵や牛乳を慣らしていく治療には危険も伴う。治せるメリットと、その過程で事故が起きるデメリットのどちらが高いか判明しておらず、確固たる治療とは言えない」と説明。 ただ、「大人になっても治らなければ専門医へ」では間に合わないこともあるため、なるべく早い段階での受診を勧める。「0歳児は離乳食で卵や牛乳、小麦を食べ始めていくという中で、まずは予防。皮膚と腸管の2点が重要で、スキンケアでの予防と、早い時期からいろいろなものを食べることで関与できるとアドバイスしている。これが10歳になってくると、免疫療法のリスクが上がってしまう。むしろ除去方法や、どういう時にアドレナリン注射を使うか、学校や外食の環境など、安全に生活するための知恵に重点を置いていく」。 具体的に自分が何のアレルギーを持っているか、血液検査で分かるものなのか。岡本氏は「血液検査だけでは食物アレルギーという診断にはならない。やはり診断のゴールドスタンダードは“食物経口負荷試験”だ。これが非常に大事で、なるべく早いうち、できれば2歳になる前に負荷試験が受けられる施設に相談したほうが良い」と述べた。 そうした上で、「自己判断を避けることが大事だ」とも呼びかけた。「“卵を食べて口の周りが赤くなった。だから卵アレルギーだ”などと、自分で決めつけないこと。かかりつけ医に相談して、負荷試験などでアレルギーの有無を調べる。思い込みで完全除去をせずに、『どれくらいまでなら食べられるか』を相談することが大切だ」。(『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部