「ママ友が娘にチーズを与えてしまい救急搬送」食物アレルギー当事者の生きづらさとは…背景に“清潔すぎる”環境も?
■ママ友が原因で娘が救急搬送、進路選びに奔走 当事者の苦労
小学6年生の娘が生まれつき複数の食物アレルギーを抱えている、今村さんに話を聞いた。娘の症状について、「0歳でアトピー性皮膚炎が、外でご飯と味噌汁を食べた時に全身にじんましんが出た。救急外来で採血したところ、卵や小麦、乳、米、大豆などの食物アレルギーがわかった。3歳からは対象が減って、今は生卵と牛乳以外は食べられるようになった」と説明。 周囲の理解を得る難しさもあったという。「幼稚園の時、ママ友に説明したにもかかわらず、私が見ていないところで娘にチーズ入りのおにぎりを食べさせてしまい、アナフィラキシーで救急搬送になった。そこから人と食事するのがすごく怖くなってしまい、引きこもったこともある」「ママ友と集まる時、食事を別にしていても、向こうの子どもはアレルギーが出る食材を触った手や口で遊び始める。私はそれを静かに拭いたりしていたが、喋るよりもそっちが気になりすぎて、集まりが苦痛になった」と明かす。 娘の進路選びにも苦労したそうだ。保育園では入園直前で「うちでは無理」と拒否されたため、家から遠くて月謝も高いが、対応した給食を出してくれる園へ。小学校は「理解がある」と定評の私立校を選ぶも、毎日お弁当を持たせる必要があり、長男とは別メニューで調理した。今村さんは「先生によって理解度が違うので、それぞれの判断で守ってもらえるよう説明するのが難しい」と語る。 コラムニストの小原ブラス氏は、「幼稚園や学校の現場に任せて、理解を高める方法でいいのか。アレルギーが強い子のための施設やクラスを作るところまでやったほうがいいのか…」とコメント。元経産官僚で宇宙関連事業に取り組む武井亜樹氏は、「公立の先生に“ちゃんと気にして”とお願いするのは、給料面を含めてやるべき範囲を超えていると思う。ただ、命に関わることで、失敗すれば責任問題。(求めるなら)お金を払って、質の高いサービスとして行うべきではないか」と投げかけた。