新潟が劇的ドロー 後半アディショナルタイムに藤原が同点ゴール 残留へ半歩前進
◇明治安田J1第36節 新潟1-1柏(2024年11月9日 三協F柏) J1新潟は、アウェーで柏と1―1で引き分け、残留争いの直接対決で勝ち点1を積み重ねた。前半をスコアレスドローで折り返し、後半29分にFW細谷真大(23)にCKを頭で決められて先制を許したが、後半アディショナルタイム4分にDF藤原奏哉(29)の同点弾で追い付いた。勝ち点41で順位は16位。ホーム最終戦となる30日の次節はG大阪と対戦する。 土壇場で執念が実った。後半アディショナルタイム4分。DF橋本の左クロスを途中出場のFW小見が頭で落とし、走り込んだ藤原が右足ボレーでゴール左に流し込んだ。勝ち点差1の残留争いのライバルに勝ち点3を渡さず、藤原は「最低限の勝ち点1をもぎ取った。それができたのは良かったと思うし、本当にチームに貢献できたのが一番良かった」と表情を緩ませた。 センターバックとボランチで相手の前線のプレスを剥がし、サイドを起点に中盤まではボールを運べたが、そこから相手のブロックを崩せなかった。「攻撃に人数をかけたい、点を取りたいけれどリスクも考えてしまったところはある」と、チームには負ければ順位で逆転される重圧がのしかかっていた。 失点後、攻勢を強めて相手の危険な場所にボールを入れ続けたことが同点につながった。藤原はサイド攻撃で中央に空いたスペースを見逃さずペナルティーエリアに進入。ルヴァン杯決勝では後半12分に同じような状況で枠を外しており「その場面が頭をよぎった」という。教訓を生かして今度はしっかりと抑えの利いたボレーで決めきった。 チーム最多のリーグ戦35試合に出場する鉄人は、無尽蔵のスタミナで今季公式戦44試合目でも最後まで走りきってサイドバックながら今季5点目。「自分がゴール前まで行けているというのは押し込めている状態。そういうシーンをもっと出せれば、周りもゴールチャンスが増える」と残留へのポイントを口にする。 勝ち点1を積み上げ、降格圏の18位磐田との勝ち点差を6に広げたが、磐田は1試合多く残していて安心はできない。松橋監督は試合後「心理的な部分も当然出てくるが、目の前の試合が大事。目の前の敵が最強の敵」というこれまで通りの信念を持ち続けて戦うことを選手たちに求めた。次はホーム最終戦。勝って残留をたぐり寄せる。(西巻 賢介)