レッドブルとともに再び、F1グランプリの頂点へ【ホンダF1挑戦60年の軌跡⑦】
第4期活動最終年にドライバーズタイトルを獲得
第4期活動最終年に向けてホンダは新骨格のパワーユニットRA621Hを完成させ、オフシーズンのテストから投入、開幕戦からレッドブル、アルファタウリの4台に実戦投入した。本来、2022年シーズンから投入予定であった新骨格と新たな技術を前倒しで開発し、ホンダの技術のすべてを注ぎ込んだブランニューのパワーユニットを完成させたのだ。 一方RB16Bはマシンのリア部の突発的で不安定な挙動に対処するべく、リヤサスペンションを中心に大幅に改良。また、ホンダと連携して外観をコンパクトにして空力性能の向上を図った。このようなアップデートを重ね、マシン全体のポテンシャルはレースを経るごとに向上し、王者メルセデスとの熾烈なチャンピオン争いが展開されることとなる。 2021年、こうしてレッドブル・ホンダは開幕戦からその戦闘力の高さを発揮。開幕戦ではフェルスタッペンがポールポジションを獲得、惜しくも勝利は逃したが、メルセデスのルイス・ハミルトンとの壮絶なチャンピオン争いの幕はシーズン開始とともに始まった。 シーズン序盤はハミルトンが先行し、中盤はフェルスタッペンが勝利を重ねてチャンピオンシップを逆転、終盤にはメルセデスのアップデートによりハミルトンが肉薄する展開となる。そして両者は最終戦アブダビGPを同点で迎えるドラマチックな展開となった。 その最終戦アブダビGPではハミルトンが首位を独走していたが、レース最終盤、クラッシュしたマシンが出てセーフティカーが導入され、ラスト1周の戦いとなり、タイヤ交換を済ませていたフェルスタッペンが大逆転。劇的な優勝でシーズン10勝目を飾り、自身初のドライバーズチャンピオン獲得を果たした。 ホンダは第4期F1をフェルスタッペンのドライバーズチャンピオン獲得という悲願達成で締めくくった。これは、アイルトン・セナとともにタイトルを獲得した1991年以来、30年ぶりのことだった。