若手社員は始業前に同じ課のメンバーのデスクを拭き掃除しなければならない…。 これは残業になる?ならない?
労働時間の記録の仕方とは
法律上、使用者には労働時間を適正に把握する責任があります。毎日、会社が社員の勤務を直接記録するのは難しいことから、記録する方法としては、(1)使用者が自ら適正に記録すること、(2)タイムカード、ICカード、パソコン使用時間の記録などの客観的な記録により行われることが多いでしょう。 客観的な記録がないと、いくら社員が「残業時間だ」と申し出ても認めてもらうことは困難です。 さらに、出社してすぐにタイムカードに記録せず、掃除が終わってから記録したり、出社後すぐにタイムカードに記録をしたりしても、その後雑談を始めてなかなか仕事が始められないなど、人によって記録するタイミングが異なると、タイムカードとは異なる記録方法をとっている会社もあるでしょう。 パソコンのログイン・ログアウト時間から労働時間を計算する会社もあるかもしれません。そのようなケースでも、始業前のデスク周りの掃除を社員や会社が記録していなければ、そもそも残業と主張するのは難しいかもしれません。 さらに、残業だと申し出て、時間外手当を支払ってほしいと言ってしまうと、これまでの慣習を見直さざるを得なくなり、会社運営に混乱がもたらされることもあります。 まずは、いきなり「残業代を支払え」ではなく、掃除は始業前ではなく、就業時間中に順番にするような提案をしたり、残業とみなされる時間の定義を会社側と協議したりするなど、若手社員だからこそ会社を変革するという意気込みで、できることから始めてみるのはいかがでしょうか。 出典 厚生労働省 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン 執筆者:當舎緑 社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。
ファイナンシャルフィールド編集部