40代からでも年収、やりがいはアップできる…「幸せな転職」を実現するために「大切なこと」
収入アップや昇進だけが、幸せな転職ではない
総合病院で介護士として働いていた松田さん(43歳・女性)は、経営の安定性や収入面では現在の職場に満足していました。しかし、キャリア面談を通じて「患者さんとじっくり向き合いたい」という本来の想いを再確認したほか、夜勤が多く家族との時間が取れず、ワークライフバランスを大切にしたいという願いを自覚しました。この気づきをきっかけに、小規模クリニックへの転職を決断しました。収入面よりも、自分の価値観に合った働き方を優先した結果、心から満足できるキャリアを築くことができたのです。 また、人事畑に15年在籍していた野中さん(45歳・男性)は、「私は専門的なスキルもないし、社労士資格の勉強でもしよう」と考えていました。しかし、キャリアコンサルタントと対話する中で、人事労務で培った人材教育に関する豊富な知見が、教育研修分野に活かせる強みであることに気づきました。この「気づき」は、野中さんに新しい道を開くきっかけとなり、自身がやりがいを感じる分野へと転職できたのです。
キャリア形成における「素直さ」の重要性
このように、他者との対話やカウンセリングを通じて初めて気づくスキルや経験は数多く存在します。これまで2000人以上のキャリア相談を通じて分かったのは、明確な目標を持ち、過去の経験を最大限に活かした人こそが、次のステージで輝くということです。 キャリアを築くためには、まず自分を深く理解することが不可欠。「自分が本当にやりたいことは何か」「これまで何をしてきたのか」「それがどのような価値に繋がるのか」を棚卸しすることで、自分の未来がより具体的に見えてきます。そのプロセスで、他者の視点を取り入れることが非常に効果的です。大切なのは、自分の経験を「棚卸し」すること。棚卸しを成功させる上で欠かせないキーとなるのが「素直さ」です。 素直さは、他者からのフィードバックやアドバイスを前向きに受け入れ、固定観念を打ち破り、新しい視点を取り入れる力を養います。これにより、自分自身が見えていなかったスキルや経験を発見し、それを価値として他者に伝えることが可能になります。自分が経験したことを「価値」として認識し、それをキャリアにどう繋げるかを考える「TQ力*(Thinking Quotient)」が養われるのです。 *「TQ力」は登録商標です