21歳差の男女が葛藤を乗り越えて“夫婦“になったワケ「親と妻の両方を介護なんて…」の声も
病院で勇気が出ず泣く泣く「上司」と伝えて…
――かいさんのご両親とえみさんが顔合わせしたのは、いつだったのでしょう? かい:交際がスタートしてから6年目、結婚直前に初めて会わせました。両親は「よかったね」と快く受け入れてくれて、父は「6年間も付き合ったんやから、間違いないやろ」と言ってくれたし、母は「あんたみたいな子をもらってくれる人ができでよかった」と喜んでいました。 えみ:ご両親に伝えるなら、結婚を決めたときと思っていたんです。顔合わせの当日は、「今日で、かいちゃんとの関係性が終わってしまうかもしれない……」と覚悟もありましたね。正直、職場で私たちの距離感を察した一部の人からは「若い子をたぶらかして」みたいに、陰口を言われていたのは知っていたし、元からメンタルが強いタイプでもなかったし、結婚でけじめを付けられるまでは、誰にも公言しないと決めていました。 ――強い覚悟があったんですね。葛藤もあった交際期間中、かいさんが事故で病院へ入院したときには、彼女ではなく「上司」と泣く泣く伝えるしかない場面もあったと。 えみ:看護師さんは意地悪ではなく、事務的に「どういうご関係ですか?」と聞いてくださっただけなんですよね。でも、いざ書類上へ書くときには、親でも兄弟でもなく、付き合っているからといって堂々と恋人と書く勇気もなく、迷った末に「上司」としか書けなかったんです。 その日は、その日は、過去一番と言っていいほどの言い合いになり「えみがいざとなった時にお付き合いしてると言えない関係じゃあもうお付き合いしてる意味じゃん!」と私が思ってしまって、自分が情けなくなって別れ話を切り出しました。 かい:でも、それをきっかけに「結婚しよう」と伝えられたんですよ。付き合っているだけでは自信が持てないなら「結婚したら『妻』と書けるよ」と言って、忘れられない日になりました。 ――かいさんの言葉を受けて、えみさんもだいぶホッとされたのでは? えみ:素直に「私も『妻です』と言いたいな」と思いました。6年間も付き合っているなかでは、私も結婚を伝えようと考えてはいたんです。でも、自分にとって最大の壁でしたし、かいちゃんが言ってくれて、心から安心しました。