気が散って心が忙しいなら。その場でできる「10分瞑想」で集中力を改善しよう
私たちの気を散らすものがどこにでもあふれている現代。集中力を保つことが、これまでになく難しくなりました。 ひっきりなしにメールやショートメッセージ、ソーシャルメディア、アプリの通知が邪魔をしてきます。そのうえ、電話もかかってくるし、片付なければならない仕事もあるし…となれば、集中できなくても不思議はありません。 しかし、心理学者で『EQ こころの知能指数』(邦訳:講談社)や『フォーカス』(邦訳:日経BPマーケティング)の著者でもあるダニエル・ゴールマン氏によると、簡単な解決方法があるそうです。それが「マインドフルネス瞑想」です。
マインドフルネス瞑想で集中力アップ
驚くのは、ほんの10分間マインドフルネス瞑想をするだけで、初心者にも十分な効果があるということです。やり方は簡単で、自分の呼吸に意識を集中します。雑念がわいてきたら、そのことに気づいて受け入れ、そっと呼吸に意識を戻します。 ゴールマン氏は、この短いエクササイズで、たちまち集中力を改善できると言います。マインドフルネス瞑想になじみがなかった人にも効果があるというのです。 メールをチェックしながらソーシャルメディアをスクロールし、いくつものタスクをこなす、という具合に、複数の作業に同時に取り組んでいるとき、私たちは、あることから別のことへと、すごい速さで意識を切り替えています。 そうして意識が常に飛び回っているため、集中力を保ち続けることが難しいのです。けれども、数分間のマインドフルネス瞑想で、その集中力をもっと早く回復させることができます。 ゴールマン氏がすすめるのは、朝、昼、午後に10分ずつマインドフルネス瞑想を行なう方法です。そうすると、1日を通して集中力が高まり、生産性が上がるのを実感できるそうです。
ストレスの緩和だけじゃない。ADHD改善にも?
もうひとつ、マインドフルネス瞑想によって得られる効果は、ストレスの緩和です。この効果は1日目から感じることができます。 瞑想は、「戦うか逃げるか反応(敵に襲われるなどの緊急事態が起きたときの、生理的・心理的反応)」をつかさどる脳の扁桃核を落ち着かせます。つまり、プレッシャーがかかっても落ち着きを失わず、ストレスの多い状況でも、感情的な反応をしにくくなるのです。 最近は、誰もがストレスに押しつぶされそうになっていますが、瞑想という、心のリセットをきっかけにすることで、職場でのストレスを減らせるかもしれません。 また、瞑想が「注意欠如多動症(ADHD)」の改善に役立つ可能性を示す、大変興味深い研究もあります。 すべての瞑想テクニックは、注意力を鍛えるのに役立ちますから、集中することが難しい人にとってはぴったりの方法です。子どもは、早くにADHDの徴候を見せることが多く、子どもを対象にした研究では期待が持てる結果が出ています。