「ゴマはすらない」…与党に屈せず中学給食無償化実現 維新系市長の「ガチンコ闘争宣言」
自民、公明両党が推薦した現職らを破り、京都府内初の日本維新の会系首長となった同府舞鶴市の鴨田秋津(かもだ・あきつ)市長(42)。昨年2月の就任から1年余り、公約の実現などを巡り、自民党会派を中心に前市長を支援した議員が大多数を占める市議会との対立が続いている。議会との〝バトル〟は今後も激しさを増すとみられる中、「膝を屈して、ゴマをすれといわれても絶対にしない」と一歩も引かない構えだ。 【写真】柔道に打ち込んだ高校時代の鴨田市長 ■前市長支援の市議が3分の2 市長選では市長報酬の3割カット、退職金ゼロといった「身を切る改革」や学校給食無償化などを掲げて支持を集め、現職に約4千票差を付けて当選した。 とはいえ、舞鶴市は自民党が強固な地盤を誇る地域だ。定数25の市議会で自民会派を含めて前市長を支援した議員は約3分の2に上るのに対し、鴨田市長を支える会派の議員は3人。「議会とのなれ合いを排し、停滞する政治を改革したい」との思いは強いが、「数の論理」が立ちふさがる。 昨年の6月定例会。自民を含む保守系会派の議員らは、副市長人事案が最終日の追加議案として提出されたことを問題視し「議会軽視」「議会との信頼関係を損ねた」などと反発、不同意となった。これに対し鴨田氏は「反対のための反対だ、感情論で反対した」と批判。定例会最終日の人事案提出についても「これまでのルールに沿ったもの」と反論したが、同意が得られるまでの約半年間、副市長不在の異例の事態となった。 その後も、市内の交流施設の指定管理者を選定する条例案が市議会で否決されたため急遽(きゅうきょ)、市の直営になったほか、同交流施設を巡る保守系会派の広報紙の内容を市が公式ホームページで批判したとして鴨田氏への問責決議案が可決されるなど、両者の対立はヒートアップしていった。 ■中学校給食の無償化にも議会が〝待った〟 記憶に新しいのが、鴨田氏にとって初めての通年予算となった令和6年度当初予算案に盛り込まれた中学校給食の無償化だ。公約で掲げていた目玉政策で、実現されれば京都府内の市では初の実施となるものだった。 当初予算案には事業費9760万円が計上され、財源にはふるさと納税の寄付金を充てるとしていた。これに対し、保守系の2会派はふるさと納税の寄付金は「増減の変化がある不安定財源だ」などと主張し、無償化事業を削除した当初予算案の修正案を提案した。