フォーリンラブ ハジメ、夫婦の不妊治療体験「赤ちゃんをこの手に抱くまで夫婦の6年」
【用語】精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)手術
○男性不妊の原因として多く見られ、日帰り手術が可能 精索静脈瘤は、男性の精巣(睾丸)の静脈におなかからの血液が逆流して精索静脈が瘤(こぶ)状にふくれるもので、正常男性の約15%、男性不妊症の患者の40%ほどにみられるといわれています。治療では精索静脈をしばって血液の逆流を止める手術を行うことが多く、現在は手術用顕微鏡を使用する「低位結紮(けっさつ)術」が主流となっています。術後の精液所見の改善率は40~60%、1年以内に自然妊娠できる確率は25~45%といわれています。また、体外受精(顕微授精)の成績も向上する可能性が指摘されています。(林先生)
続いてミホさんも不妊治療専門クリニックへ
一方、ミホさんはハジメさんのクリニックでの結果を聞いてこう答えました。 「私もクリニックに行ってみる」 ミホさんもすぐにクリニックを探して受診しました。結果、子宮、卵巣、ホルモンバランスなど、問題となる要素はありませんでした。 まずはこのクリニックで人工授精を2回トライしてみましたが、結果は出ません。このあと、ハジメさんは、自身の精子の運動率を上げるため、再び男性不妊治療専門クリニックを訪れます。 「選択肢が2つあると言われました。1つは漢方薬の服用。もう1つは精索静脈瘤手術。そのクリニックでは成功率が約7割だと聞いたので、可能性があるのならそこに賭けようと手術することを決断しました」 手術は日帰りとはいえ、痛みはもちろん残ります。翌日営業の仕事があったハジメさんは、相方のバービーさんに事情を話しました。 「これはネタにするしかない!」「反復横跳びやってみて!」 営業中に突っ込みを入れられたことは今でも忘れられない思い出になっています。 ハジメさんの手術を終えて妊活を再開。今度こそはと期待を寄せていた2人でしたが、再検査で宣告を受けることになります。 「精子の運動率が手術前と変わっていません」 このとき、ミホさんは34才。年齢的に自然妊娠する可能性が低くなりつつあること、ハジメさんの精子を最大限に生かすためにも少しでも早く妊活を進めることを提案され、顕微授精にステップアップすることになりました。 「排卵誘発のためのホルモン注射を自分で打たなければいけないのは本当に怖かったです…」 1回目の顕微授精で受精卵が2個できたものの、どちらも着床には至りません。そのあともう一度試しましたが、結果、妊娠には至りませんでした。