ルクレール、最後尾スタート確定もフェラーリの逆転タイトルを諦めず「奇跡を信じている」3番手サインツJr.は全開宣言
F1最終戦アブダビGPでフェラーリのシャルル・ルクレールは、予選Q2敗退とグリッド降格ペナルティによって決勝レースを最後尾からスタートすることが決まったものの、チームが大逆転でコンストラクターズタイトルを制覇することを諦めてはいない。 【リザルト】F1最終戦アブダビGP 予選結果 2008年以来となるコンストラクターズチャンピオンを目指すフェラーリだが、最終戦アブダビGPを前にランキング首位のマクラーレンに21ポイント差という状況だ。 レースで勝てばコンストラクターズチャンピオン確定というマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリは、予選でフロントロウを独占。フェラーリはカルロス・サインツJr.が3番手とひとり気を吐く一方、ルクレールはトラックリミット違反によるタイム抹消でQ2敗退……加えて、規定数を越えたエナジーストア(ハイブリッドパワー用のバッテリー)投入による10グリッド降格ペナルティによって最後尾からのスタートが確定した。 しかしルクレールは、フェラーリの逆転タイトル獲得の可能性を信じ続けている。 「僕は奇跡を信じている。またも非常に難しい状況に追い込まれた。それは間違いない」とルクレールは言う。 「10グリッド降格ペナルティを受けたことで、常に難しい状況になることは想像できた。でも何かスペシャルなことをするチャンスだと思うし、そのためにベストを尽くすよ。最後の1周まで信じ続ける。何だって起こり得るんだ」 予選は厳しい結果となったものの、ルクレールはルーキー枠として出走した弟のアーサーと共に走ったFP1ではトップタイムもマーク。FP3以降はマシンセットアップに変更を加え、正しい方向に進めることができたとの考えを示した。 「レースペースはまあまあだったけど、マクラーレンの方がずっと強力だったみたいだ」とルクレールは続けた。 「でもFP3からマシンをかなり変えた。僕らは正しい方向に進めたと思う。それに、どちらかというと僕らのタイヤデグラデーション(性能劣化)は他よりも良い。だから明日は良いポジションにいられると思うよ」 一方で、今回のアブダビGPを最後にフェラーリから離脱するサインツJr.は、決勝スタート直後からマクラーレンの2台を攻め立てるつもりだと意気込んだ。 「僕らは週末を通して良い進歩を遂げたと思う。そしてマクラーレンは週末を通して、みんなより一歩リードしていることを示したと思う」とサインツJr.は言う。 「僕らはその後ろ。0.2~0.3秒差だった。Q1とQ2ではもう少し近づいているように見えた。Q1とQ2ではとても良いラップをまとめ上げることができたんだけど、Q3で彼らが全てを出し切ったときには、僕らよりも少し余力があった」 「とはいえ、明日はまだレースが残っているし、そのレースで勝てるかどうか、自分たちに最高のチャンスが訪れるかどうか、全力を尽くしたい」 サインツJr.は来季中団グループのウイリアムズに移籍するため、今のうちにトップ争いを楽しみたいと示唆した。 「全力を尽くすつもりだ。今日だって、ポールポジションが欲しかったからこれまでにないくらい予選で攻めて走った」とサインツJr.は言う。 「明日に向けて良いチャンスを掴みたかった。優勝争いや表彰台争いはこれが最後かもしれないからね。でも同時に、この最後の週末をできるだけ楽しんで、全力でプッシュする。明日、失うモノは何もない」 「正直に言うと、今週末はあまり感情的になれなかった。集中力が非常に高く、優勝とコンストラクターズタイトル争いのチャンスにかかっているモノが多すぎて、そのことを深く考えたり、しんみりしたりしている時間がなかったからね」
Mark Mann-Bryans