事故発生!非常ベル→素早い警察対応のために…韓国・求められる「街の監視カメラ」のアップデート
【06月09日 KOREA WAVE】ソウル市江南区(カンナムグ)の都市管制センターに勤めるソウル江南警察署所属の管制警察官は、歌手のキム・ホジュン(33)氏が飲酒ひき逃げの疑いで拘束された事件に言及しながら、次のように語った。 「事故現場に、行動パターン感知センサーが内蔵された監視カメラがあったら、事故後の状況が変わった可能性がある。ひき逃げ事故後、すぐに追跡して飲酒測定ができたはずだから」 キム氏は先月9日、江南区狎鴎亭洞(アプクジョンドン)の道路で事故を起こした後、現場を離れ、17時間後に警察に出頭した。 行動パターン感知センサー監視カメラは、車両の衝突場面を感知して管制センターの非常ベルを鳴らし、専門家の即時対応を可能にする。事故発生後に追いかけるのではなく、リアルタイムでの追跡が可能だという。 管制センターはソウル江南警察署と水西(スソ)警察署の警察官、江南区庁所属の管制要員ら30人余りが勤務し、同区で発生する事件・事故を予防し、犯罪捜査をサポートする。 街のあちこちで見られる黄色い柱は、犯罪予防のために管制センターで見る主要なポイントの一つだ。この柱に設置された非常ベルを押せば、監視カメラによって画像通話のように管制要員と24時間連絡ができる。有事の際、警察に迅速に助けを求めることができるのだ。 捜査のサポートは、管制モニタリングのうえ、事件・事故が発生すれば管制センターで認知し、管轄地域の地区隊に無線で状況を共有する。管制センターは、現場に出動した地域警察がより効率的に事件に対応できるよう、監視カメラの映像分析で犯人の逃走経路や車両番号などを知らせる。 ◇総合的能力備えた専門家を 監視カメラは事件の類型を問わず、捜査の手がかりを提供する重要な装備だ。事件・事故解決において監視カメラの重要度は日増しに高まる一方で、現場では装備が不十分で苦情が多い。 警察によると、街に設置された旧式の監視カメラは、防犯用ではなく、違法駐・停車やゴミの無断投棄の取り締まり用がほとんどだ。旧式の回転型監視カメラは約30秒に一度、方向をかえるため、捜査に活用するためには手間がかかる。防犯用は一方向に固定されており、犯人の動線を連続的に把握することができる。 防犯用が路地裏のような犯罪が起きやすい場所に優先的に設置されたため、大通り沿いに防犯用の監視カメラの設置を増やすべきだという声も少なくない。路地裏にいた犯人が大通りに逃走すれば、警察は回転型監視カメラをさまざまな角度から確認したり、現場近くの建物に設置された私設の監視カメラを任意で提出してもらったりするなど、追加の手続きが必要だ。この時、犯人は容疑を否認するための「時間を稼ぎ」をする。 監視カメラが十分にあっても、映像分析、追跡捜査のためには管制警察官の専門性を高める必要がある。実際、現場と監視カメラモニターに映し出された姿は、色の歪みなどかなりの違いがあるからだ。監視カメラの映像をただ見るのではなく、どう見るべきか警察を対象にした教育が必要な理由だ。 警察関係者は「20年前に比べれば、技術が大きく進歩し、予算も増えた。ただ監視カメラの重要性を考えれば、改善すべき点が依然多い。映像分析の知識だけでなくリアルタイムモニタリング技術、動線追跡捜査の経験など、総合的な能力を備えた専門家を警察組織内でより多く養成する必要がある」と指摘する。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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