猫ひろしは、2年後のリオ五輪に出場できるのか?
仁川アジア大会の陸上男子マラソンに3日、カンボジア代表として出場したタレントの猫ひろし(本名・滝崎邦明)は、2時間34分16秒で14位。出走者19人中5人がレース途中に棄権したため、完走者の中では最下位という結果に終わった。 「30キロ付近でおなかが痛くなってしまった」(猫)と、目指していた自己ベスト(2時間30分26秒)の更新がかなわなかったどころか、タイムだけを見れば10月2日に行なわれた女子マラソンでも完走16人中7位に相当する“赤点記録”。 初の大舞台で惨敗した猫だが、カンボジア代表としてリオ五輪代表の座を射止めることはできるのか。 スタートでは“ニャー!”の決めポーズを見せ、2キロ手前までは先頭集団に加わっていた猫だが、ついて行けたのはそこまでだった。先頭集団がペースを上げると一気に後退した。 ただしここは「1キロ3分30秒で行こうと思っていた」という猫の想定通り。川内優輝や松村康平らのことは意識していなかったと言い、「僕はタイム的には遅いので、周りを気にせず自分のペースでやろうとした。ペースを守って走り、落ちてくる選手を拾おうと思った」というプランがあったことを明かした。 スタート5分で先頭集団から消えたのが“脱落”ではなかったということは、その後も25キロまでは5キロ17分台のラップを保っていたことからも分かる。さらには、「途中で3、4人の選手を抜いた」(猫)といい、落ちてきた選手を拾うという作戦も実行できていた。 ところが30キロ手前で腹痛に襲われペースダウンし、30キロ以降は5キロのラップがすべて19分台に落ちてしまった。自己ベストから大幅に遅れる失敗レースになってしまったのは、直接的に言えば腹痛が原因だった。 とはいえ、アジア大会出場が決まった今年6月から8月までは同国内で月間900キロを走り込むなど、トレーニングを順調に積んできただけに、コースの難しさなどを差し引いてもこの記録はいただけない。 「2時間30分を切りたかったので、タイムは(設定より)5分遅い。そこはカンボジア人うんぬんではなく、競技者としてシビアに考えていかないといけない」と厳しい表情を見せるのは自然なことだ。 だが、今回の失敗は原因が明確。それだけに、今後の修正はある程度可能だろう。 猫自身、「しっかり練習できて、タイムも出ていたのに、途中で腹痛が起きたりしてベストを出せなかった。もっといろいろなことに対応できるように、トレーニングも見つめ直したい」と自戒を込めて言い、意欲を示す。