パブリッシャー の上半期の広告収入は回復傾向。下半期はさらに明るい見通し
記事のポイント 2024年上半期、広告売上は前年比で増加。契約規模やRFPの量が上昇し、業界の回復を示すポジティブな兆候が見られる。 RFPの増加や第4四半期予約の早期進行が見られ、特にテクノロジーや専門サービスが好調。政治広告が非政治広告に影響を与える可能性も高い。 第1四半期の正味売上維持率は前年比で増加し、下半期には抑制されていた予算が解放される見込み。広告市場の回復基調が鮮明化している。 今シーズン、メディア業界を吹き抜ける新鮮な風は、身が引き締まるような秋風だけではない。 パブリッシャー広告管理プロバイダーのブースター(Boostr)による2024年上半期にフォーカスした最新のメディア広告売上トレンド速報レポート(Media Ad Sales Trend Flash Report)によると、少なくとも今のところは、2023年の沈滞状態が終わったことを示すポジティブな広告売上のトレンドラインが数多く現れている。 今年の第1四半期と第2四半期には、直接販売の広告キャンペーン(カスタムコンテンツからプログラマティック保証型まで)の契約規模とRFP(提案依頼書)の量の両方が増大した。また、このレポートの調査対象となった、ブースターのプラットフォームを使用し、米国を拠点する100社以上のデジタルパブリッシャーでは、売上維持率と全体的な平均広告収益成長率がプラスに反発している。 「いいニュースがたくさんあり、業界が回復しはじめているようで喜ばしい。今年は多くのメディア企業にとっての転換点になると思う」と、ブースターのCEOで創業者のパトリック・オリアリー氏は述べた。 ただし、3社のパブリッシャーは米DIGIDAYに対し、第1四半期は好調だったものの第2四半期はまだ少し「軟調」で、前年比で広告収入がわずかに減少したが、それを補うように下半期は増加するだろうと語った。あるパブリッシャーの幹部A氏が匿名を条件に語ったところによると、下半期の予約収入は前年比で増加しており、第4四半期向けに獲得した広告収入が今年の第2四半期の「ギャップの大部分」を埋め合わせることになりそうだという。 ここでは、2024年上半期のデジタルメディア業界の様子を簡単に見ていく。