パブリッシャー の上半期の広告収入は回復傾向。下半期はさらに明るい見通し
契約規模は増大しているが、広告全体にはまだ成長の余地がある
平均広告収益成長率は、いまだ回復傾向にあるが、レポートのなかでひときわ目立つ統計情報のひとつとして、今年の第2四半期の平均契約規模が2023年第1四半期以来最高の14万1770ドル(約2010万円)となり、前年比で67%増となったことがあげられる。ただし、第1四半期の平均契約規模は9万5000ドル(約1347万円)に届かず、前年比で18%減だった。 オリアリー氏によると、ここで見られる傾向の一部は季節的なものだという。しかし、匿名を条件に話してくれた2人目のメディア幹部B氏は、契約規模の全体的な増大は2024年上半期だけでなく下半期も継続しそうだと語った。 「当社の収益の大部分は、イベントのスポンサーシップやカスタムコンテンツによるプログラムからきている。つまり、最初から大きくて全体的な契約だ」と、メディア幹部B氏は述べた。「全体的な予算が増えているのか、当社がシェアを奪っているのかはわからない」。
RFPの量とカテゴリーの内訳
もうひとつ、レポートのなかで上昇傾向にあったのが、今年上半期のRFP量だ。第1四半期に調査対象のパブリッシャーが広告主から受け取った提案依頼の数は前年比で9%増加し、第2四半期には前年比で17%増加した。 オリアリー氏によると、第1四半期はほとんどの広告主カテゴリーでRFP量がわずかに増加したが、特に公共事業および電力(123%増)、不動産(93%増)、専門サービス(70%増)の分野では前年比で増加したという。 第2四半期にRFP量の前年比成長率がもっとも高かったカテゴリーは、公共事業および電力(100%増)、テクノロジーおよび通信(68%増)、専門サービス(63%増)などだったが、アダルトおよびギャンブル(36%減)と不動産(13%減)では前年比で若干の低下が見られた。 メディア幹部B氏は、今年は今のところテクノロジー、専門サービス、ラグジュアリーという3つのカテゴリーが好調だが、いくつかの企業の最近の収支報告から考えると、2025年にはラグジュアリーが衰退するだろうと述べた。 「RFP量は増加しているが、広告主がパブリッシャーに与える開始までの時間的猶予は短くなっている」とオリアリー氏は語った。「四半期中に行われることが多くなり、規模も大きくなっている。実行の負荷がますます重くなっている」。