パブリッシャー の上半期の広告収入は回復傾向。下半期はさらに明るい見通し
四半期の予約状況は高かったが、下半期には変わると予想されている
パンデミック以来、おおむね続いている傾向のひとつが、四半期内の予約だ。 オリアリー氏は、第1四半期に結ばれた契約の65%は同四半期内に予約されて開始されたが、第2四半期にはその数が71%に増加しており、これは、四半期の開始前に予約された契約が大幅に減っていることを意味すると述べた。 メディア幹部B氏は、今年の下半期にはカスタムコンテンツやイベントスポンサーシップなど大がかりなキャンペーンが予約されることになっているため、営業チームには契約の計画と実行のためにより長いリードタイムが割り当てられていると語った。「早くも第4四半期の予約が始まったが、現時点でも興奮を隠せない。つまり、早期予約の傾向が戻ってきているのがわかる」とのことだ。 今年は選挙の年で、特に年の後半には政治関係の広告主の動きによって政治関係以外の広告主がインベントリーを確保するよう駆り立てられるため、メディア幹部らは収益予測をより明確に立てられるようになってきている。 匿名でこの件について語った3人目のメディア幹部C氏は、次のように述べた。「あらゆるメディアソースが政治情勢のなかで値上がりしており、実際に苦労しているのは、政治的キャンペーンが買い残していったインベントリーを探している広告主だ。だからこそ、今年下半期に直接支出が増えているのだと思う。買い占めておかなければ、選挙の追い込みの時期には手に入らなくなることを知っているのだ」。
売上維持率は好転しつつある
新規広告主に対する既存顧客からの広告収入を測定する正味売上維持率(NRR)を見ると、今年の最初の第2四半期は2023年から改善したが、過去2年間と比べるとまだ比較的横ばいといえる。この統計情報によると、第1四半期は前年比で13%の増加を示しており、平均すると、同四半期におけるパブリッシャーの広告収入の55%は既存の広告主から得られている。また、第2四半期のNRRは51%で、前年比で4%増加している。 「昨年は誰もが景気後退を予想し、様子をみていた。その恐怖は終わったように思える」とオリアリー氏は語った。 「今年の上半期は、一部の予算が抑制または留保されていたと思うが、下半期に入ってこれらが解放されはじめているようだ」と、1万1000社以上のデジタルパブリッシャーの広告枠を販売するメディアバイン(Mediavine)のCROであるアマンダ・マーティン氏は述べた。特に第2四半期は少し軟調だったと同氏はいう。 また、これはプログラマティック広告を主とするパブリッシャーにとって今年後半の季節的な上昇機運が例年よりも高いことが一因ではあるものの、「2024年下半期は好調な傾向にあるとみている」と同氏は述べた。 [原文:Publishers’ ad revenue rebounded in the first half, but H2 is looking even brighter] Kayleigh Barber(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:坂本凪沙)
編集部