【近視のメガネ】“弱め”に作るのが間違いな理由は?子どもの近視治療、最新事情
子どもの近視は治療できる!
子どもの近視が、将来の失明の可能性を広げてしまう病気だとは……、知りませんでした。メガネやコンタクトレンズで矯正して、見えるようにすればよい、というものではないのですね。 “病気”ということは、治療もできるのでしょうか? 「はい。現在日本では、子どもの近視のメジャーな治療法は、大きく2つあります。 睡眠中にハードコンタクトレンズをつけて視力矯正するオルソケラトロジーと、瞳孔を広げるアトロピン点眼薬です。どちらも、近視の進行を遅くできることが分かっています」 それぞれにメリットデメリットがあるため、それを知った上で治療法を選択してほしいと窪田先生は話します。 「オルソケラトロジーは、寝てる間に専用のコンタクトレンズを付けておくことで角膜を圧迫して、角膜の形を変える、という治療法です。ただし、角膜を長く圧迫する、ということから将来的に乱視になる可能性を指摘する先生もいらっしゃいます。 また、アトロピン点眼薬は、長期にわたって薬剤を目に入れ続けるので、小さいお子さんへの処方に抵抗がある人もいるかもしれません」 どちらも、厚生労働省の認可を受けている治療ですが、現在のところ保険診療の適応ではないため、近視抑制のための自由診療という扱いになります。 費用はクリニックによって幅がありますが、オルソケラトロジーは初年度に15~30万円程度、2年目以降は3~6万円程度。アトロピン点眼薬は1カ月で2,500~4,000円程度が目安だそう。 「近視の治療法には、それ以外にも、子ども用の遠近両用メガネのようなものでの矯正方法や、レッドライトという光を使った治療法などが世界中で研究中です。 また、私自身も『クボタグラス』という、治療用メガネの開発に力を入れています。このメガネは、光の力で“矯正的に遠くを見ている状態”を作るというもの。オーダーメイドということもありまだかなり価格が高いので、今後は低価格化が課題です」 新しい治療法がどんどん研究されているのですね。いずれは近視を治療することが常識になっていきそうです。