【近視のメガネ】“弱め”に作るのが間違いな理由は?子どもの近視治療、最新事情
弱めの度数にするのは注意!メガネやコンタクトレンズの作り方
ところで、子どもの近視が進んでしまった場合は、メガネやコンタクトレンズで矯正をしますが、選ぶ基準などはありますか? 「どちらを選んでも近視の進行に違いはありません。ただ、眼科医はメガネを勧めています。……というのも、コンタクトレンズを装着するときに汚れた手で触ってしまうと、目が傷ついたり、細菌に感染したりするリスクがあるからです。子どものうちは、やはりメガネのほうが安全だといえます。 ただ、激しいスポーツをしているなど、お子さんのライフスタイルによってはコンタクトレンズを勧める場合もあります」 メガネでもコンタクトレンズでも近視の進行には影響がなく、どちらを選ぶかは、子どもの生活上での安全性から考えたほうがよいとのこと。 「ただし、どちらを選ぶにしても、大事なのはぴったり合った度数で作ることです」 ぴったり合った度数とはどういうことでしょうか。これまでメガネを作ったときに、「少し弱めの度数にしますか?」と聞かれることがあったような……。少し弱めにしておくほうが、視力が悪くならないと思っていました! 「一時期は、度数が弱いメガネをかけたほうが、目が疲れないので良いとされていたことがあるのですが、それは間違いです。最近の研究では、度数が合っていないと近視の進行スピードがさらに速くなることが分かっています」 弱い度数だと、メガネをかけてもピントが合わないので、ピントを合わせようとしてさらに眼が無理をしてしまう、という仕組みだそう。度数を弱めたメガネが眼によくないとは、驚きです。では、実際に眼科でメガネを作るときに、ぴったり合った度数にするためにはどうすればよいでしょう? 「メガネを作る際には、眼科医に“完全矯正をしてください”と伝えてください。そうすれば、弱めの度数で作られることはありません」 近視が病気だということを知った上で、しっかり治療をしたり、度数の合ったメガネやコンタクトレンズで矯正したりすることが重要なのですね。 次回は、子どもが近視にならないようにするための予防法、暮らしのなかでできることをお聞きします。 撮影/横田紋子(人物・クボタメガネ/小学館)