〈ビジネスマンのための会計学〉なぜ「右」と「左」が同額に?…会社の財政状況がわかる「バランスシート」の超キホン【経済評論家が解説】
一株あたり純資産額が株価の基本
企業が解散する時は、資産をすべて売却して負債をすべて返済して、残りを株主が山分けします。資産が取得価格どおり(バランスシートに記載されている通り)で売れれば、株主は純資産額を山分けすることになります。したがって、株価の基本は一株あたり純資産だ、と言えるでしょう。 購入した土地が高く売れたり安くしか売れなかったりすることはあるでしょうが、本稿ではそうした可能性は考えないようにしましょう。 購入したばかりの新車でも、会社が解散するときは中古車として買い叩かれるでしょうが、実際には会社は解散せずに新車は大いに利益に貢献すると期待されますから、本稿ではそうしたことも考えないようにしましょう。 実際には、株価は一株あたり純資産より少し高いはずだ、というのが理屈です。企業にはバランスシートに記載されない資産があるからです。無形資産と呼ばれるもので、ノウハウや知名度、信用などが利益に貢献することを見込んで株価が高くなるはずなのです。日本の上場株は一株あたり純資産額を下回っているものも多いのは、不思議なことですね。 今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。 筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。 塚崎 公義 経済評論家
塚崎 公義