ヤクルトが阪神戦で珍しい内野フライでタッチアップ成功も「犠飛」と記録されなかった理由とは?
神宮球場で24日に行われたヤクルトー阪神戦の5回に珍しいプレーがあった。5回のヤクルトの攻撃。一死三塁から山田哲はセカンドとライトの間に高々とフライを打ち上げてしまった。阪神のセカンドの糸原が打球を見上げながらバック。ライトの高山、センターの近本も前進したが、結局、糸原が深い位置まで追いかけて、捕球する瞬間に少し後ろにのけぞるようにしてキャッチしたが、三塁走者の太田がタッチアップを仕掛けたのだ。糸原は、あわてて中継に入った木浪へ送球したが、左手を伸ばして滑り込んだ太田は余裕のタイミングでホームインに成功した。 内野手がファウルゾーンで捕球した際に、その場所や捕球体勢を見極めて三塁走者がタッチアップを仕掛けるケースは珍しくないが、フェアグラウンドでの内野フライでは異例だ。 糸原の捕球体勢と位置を見て、三塁走者の太田が判断したファインプレーだったが、ライトの高山が「任せろ!」と声を出して後ろから走り込んでキャッチしていれば、あの浅い位置ではタッチアップを敢行できなかっただろう。 阪神では、通常はライトを守備範囲の狭い糸井が守っていることから糸原に対して「後ろの打球はしっかりと追え」という指示が出されているそうだが、隠れた高山の凡ミスだった。その前の回に、高山は一死満塁から殊勲の逆転2点タイムリーを放っていて、このプレーがクローズアップされることはなかった。だが、3点差とされる、この1点がなければ、ベンチは先発の西をもう1イニング引っ張ることができたのかもしれない。もしゲームがもつれていれば、間違いなくポイントとなるプレーだった。 さて問題は記録が「犠飛」とはならずに「二飛」になったことである。中継していたテレビのアナウンサーは「犠牲フライになりました」と間違って伝えていたが、この日の公式記録員は「犠飛」とは認めなかった。それでも山田には打点はついた。つまり一死三塁から二塁ゴロを打って走者が生還したのと同じ扱いだ。 なぜ「犠飛」とはならなかったのだろう。