元DTM王者のブルーノ・スペングラー、13年キャリアをともにしたBMWを離脱「簡単な決断ではなかった」
ブルーノ・スペングラーは、DTMドイツ・ツーリングカー選手権とGTレースでの勝利がハイライトとなる13年間の在籍を経て、2024年末にBMW Mモータースポーツを去る。 【写真】スーパーGT最終戦でBMW Team Studieのメンバーと記念撮影をするブルーノ・スペングラー 2011年の終わりにドイツのメーカーに加わったカナダ人ドライバーは41歳となった今年、自身の希望でBMWを離れることになった。 スペングラーは2012年から2019年までバイエルンのブランドで延べ122回のDTMレースに出場し、計24回のポディウムフィニッシュと7回の優勝をマーク。2012年にはBMW M3 DTMを駆りシリーズチャンピオンを獲得した。 また彼はGTレースでも活躍し、2023年にはBMW M4 GT3でイタリアGTスプリント選手権を制したほか、日本のスーパーGT・GT300クラスにBMW M Team Studie x CRSから参戦。北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のデイトナ24時間レースやセブリング12時間レースでもBMWのGTカーをドライブして表彰台に上がった。 レーシングカーのコクピットの外では、スペングラーはとりわけBMW Mモータースポーツ・オートモーティブ・ゲーミングのアンバサダーを務め、このほかにもメーカーの顔として活動してきた。 「この13年間に関わったBMW Mモータースポーツ・ファミリーの全員、すべてのエンジニア、すべてのメカニックに心から感謝する」とスペングラーは語った。「僕は信じられないほど素晴らしいレーシングカーを世界中で運転する特権に恵まれた。それは本当に素晴らしい時間だった」 「とくに感謝したいのは、BMW Mモータースポーツでの初期の僕を支えてくれた元BMW取締役のクラウス・ドレーガー博士と、2012年にDTMタイトルを獲得し、多くの素晴らしい年月をともに過ごしたチャーリー・ラムとシュニッツァーのファミリー全員だ」 「BMW Mモータースポーツ・ファミリーを去ることは簡単な決断ではなかったが、長期的な視点での新しい挑戦をすることが、自分にとって重要な時期に来ている。それがこのステップを踏むことを決めた理由だ」 BMW Mモータースポーツのボスであるアンドレアス・ルースは、次のように付け加えた。「ブルーノ・スペングラーは、BMW Mモータースポーツの歴史に残るレジェンドだ。私が前職でアウディに在籍していたとき、彼とDTMで対戦したことをよく覚えている」 「BMW Mモータースポーツに入社して以来、彼はレース活動だけにとどまらず、BMW Mモータースポーツ・ファミリーの非常に愉快で貴重なメンバーだと知るようになった」 「彼のスポーツでの功績は言うまでもないが、彼の前向きな性格は、今日でもファンの人気を高めている。ブルーノのプロドライバー人生とプライベートの将来がうまくいくことを祈り、これからも時々レーストラックで彼に会えることを願っている」 スペングラーは、今週月曜日に発表されたマキシム・マルタンの退社に続いて、今週BMWでのキャリアに終止符を打ったふたりめのワークスドライバーとなった。 一方でBMWは今月はじめ、新加入のケビン・マグヌッセンがLMDhプログラムに参加することを発表。また、元アウディワークスドライバーのケルビン・ファン・デル・リンデも2025年にバイエルンのブランドに加わるとうわさされている。 [オートスポーツweb 2024年12月12日]