【専門医が教える腸活】サラダより日本食と地中海食がいい。日本人の体質に合った食材の選び方
もしみなさんがよかれと思って頑張って行っている腸活が、じつは逆効果だとしたらどうしますか? せっかく腸活を行うのであれば、自分が持っている腸内細菌叢や体質に合った方法で、効率的に結果を出したいですよね。そこで今回も前回に引き続き、腸の専門医である江田 証先生に、正しい腸活について教えていただきます。 【読む時間がない人はこちらへ】日本人が実践したい「正しい腸活」をわかりやすく解説!
教えてくれるのは……
江田 証先生 医学博士。江田クリニック院長。毎日、全国から来院する患者さんを胃内視鏡、大腸内視鏡で診察し、おなかの不調を改善することに生きがいを感じている消化器病専門医。『ニュースーン』(NHK総合テレビジョン)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系列)などテレビ、ラジオ出演多数。『腸を治す食事術』(新星出版社刊)など著作累計出版部数は90万部を超え、中国、韓国、台湾などで6冊の本が翻訳・出版されている。
よくある間違い(5) “「腸もれ」って腸に穴があくことじゃないの?”
健康・美容意識の高い方であれば、「腸もれ」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。近年注目されている「腸もれ」は、「リーキーガット」とも呼ばれています。リーキーとは英語で「もれやすい」という意味で、ガットは「腸」を指します。 ひと昔前は周知されていない概念でしたが、最近の医学界では、この「リーキーガット」(医学的に正確には「腸管粘膜の透過性(とうかせい)の亢進(こうしん)」といいます)が注目を浴びており、トップジャーナル(世界最高峰の専門誌)にも「リーキーガット」(Leaky Gut)というワードが頻回に掲載されるようになりました。 よく、「ストレスで胃に穴があきそう」という表現を使うこともあり、腸もれと聞くと「腸にストレスで穴があく」というイメージを持たれる方もいるようです。ただ実際の腸もれは、これとは少し違います。またストレスだけでなく、食を中心とした生活習慣が原因で起こることもある、じつに身近な現象です。 腸もれと呼ばれる状態がどのようなものか、簡単にご説明しましょう。 腸の粘膜は、細菌や未消化のたんぱく質が腸から血液の中に侵入してこないように「バリア機能」を持っています。それが「粘液」と「タイトジャンクション」です。 腸の表面にはネバネバの「粘液」があって、これが壁となり、さまざまなダメージにより腸が傷つくのを守ってくれています。また、腸の細胞が健康だと、「タイトジャンクション」が細胞同士をしっかり密着させ、外敵が侵入してこないようにブロックしていますが、腸の粘液が減り、腸の細胞が傷つくと、細胞同士のつながりも壊され、スカスカの状態になります。