【Q&A】「普天間飛行場の辺野古移設問題」って何?
Q:移設先はどう決まったの?
普天間飛行場の返還をめぐっては、代替施設を沖縄県内に移すことが前提となって話が進みました。そして、移設先の検討は混迷を極めました。 紆余曲折の末、普天間飛行場の約40キロ北の名護市辺野古(へのこ)にある米海兵隊基地「キャンプ・シュワブ」の沿岸部を埋め立てて新たな滑走路を2本整備し、普天間の飛行場機能を県内に維持したうえで返還されることになりました。
Q:辺野古ってどういう場所?
沖縄本島は、那覇市、中部の宜野湾市・北谷町(ちゃたんちょう)、リゾートホテルが立ち並ぶ恩納村(おんなそん)など西側で再開発が進み、商業地域として発展を遂げています。 それに比べ、東側は産業的な華やかさに欠け、「東西格差」が指摘されることがあります。東西とも海に接する名護市も、役場、警察署、商業施設など市の中心部は西側にあります。辺野古地域は東側です。 辺野古地域は、ベトナム戦争の時代には多くの米兵が戦地に向かう前にキャンプ・シュワブを訪れ、地元の飲食店などが栄えました。しかし、現在はシャッターが下がったままの店舗が多く、かつての活気はありません。普天間飛行場の機能を受け入れることによって関連する交付金などが地元に落ちることも、名護市や辺野古近隣の住民の判断に影響を与えるとみられています。
Q:沖縄の知事は移設に反対?
2013年12月、当時の仲井眞弘多知事は埋め立てを承認しました。 しかし、仲井眞氏は翌年11月の知事選で「辺野古移設反対」を掲げた翁長雄志氏に惨敗。知事在任中に翁長氏が死去した後の選挙でも、翁長氏と同じ主張の玉城デニー氏が当選しました。さらに、埋め立ての賛否を問うために2019年に実施された県民投票では埋め立て「反対」が7割を上回り圧勝。知事や県民世論は、政府方針と折り合っていません。 1996年以降の普天間飛行場をめぐる一連の動きが「普天間飛行場の辺野古移設問題」と呼ばれています。
Q:いつ移設が完了するの?
2018年12月には埋め立てのための土砂の投入が始まりました。しかし、一部で地盤が軟弱であることが分かり、地盤を固める改良工事をしなければなりません。改良工事をしたうえで飛行場として整備するには12年が掛かるとされており、このままいけば完成は2030年以降になる見通しです。