【社説】警護処は大統領の私兵ではない…令状妨害を止めるべき=韓国
内乱首謀者の容疑がもたれている尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する逮捕令状執行が大統領警護処の頑強な妨害で難航している。警察庁国家捜査本部は朴鍾俊(パク・ジョンジュン)大統領警護処長とキム・ソンフン警護次長を特殊公務執行妨害容疑で立件して出席を要求したが彼らは調査に応じなかった。高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は3日、ソウル漢南洞(ハンナムドン)大統領官邸に向かい逮捕令状を執行しようとしたが、警護処の職員に阻まれて戻ってくる羽目になった。裁判所が発行した尹大統領逮捕令状の有効期間は今日までだ。万一、今日も警護処が公捜処捜査官の公務執行を物理力で阻止する不祥事が発生すれば、法的により一層重い処罰を受ける場合もある。 大統領警護処は法律により設置された国家機関だ。大統領であれその誰であれ、個人の利益のための私的な兵力では全くない。警護処職員は国民全体のために奉仕しなければならない公務員という身分で、上級者の命令でも不法不当な命令は拒否する権利と義務がある。裁判所が合法的に発行した逮捕令状の執行を拒否するのは明白な不法だ。誰もそのような命令を下すことはできないし、そのような命令に従ってもならない。警護処職員は単に上級者の命令に従ったということだけでは不法行為に対する法的責任を免じることができないことを肝に銘じなければならない。 崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行も重い責任感を感じて積極的な役割に出なければならない。二つとも国家機関である公捜処と警護処が協力どころか鋭く対立する状況を座視するままではいけない。公捜処の逮捕令状執行に警護処が協力するように明確な指示を与えなければならない。国会の弾劾訴追で尹大統領の職務が停止した状態で警護処を統制できる法的な権限は崔代行にある。尹大統領に対する逮捕令状執行を巡って社会的葛藤と混乱が一層深まるように放置するのは無責任なことだ。個人的にはさまざまな悩みがあるかもしれないが、国家のために決断が必要な時は決断しなければならない。 尹大統領の法律代理人団は公捜処の令状執行の試みが不法だと主張し、呉東運(オ・ドンウン)公捜処長ら150人余りを検察に告発するという立場を表明した。その中で李鎬永(イ・ホヨン)警察庁次長(警察庁長官職務代行)と金善鎬(キム・ソンホ)国防部次官(国防長官職務代行)に対しては警護処要請を拒否して公捜処に協力したことを告発理由に明記した。一体誰が誰を告発するというのか、開き直りとしかいわざるをえない。尹大統領側は保安施設の家宅捜索に対する刑事訴訟法(第110条と111条)の適用を排除するという令状内容に問題があるとして異議を申し立てたが裁判所は棄却した。今からでも尹大統領側は無理な主張を引っ込めて正当な法執行に協力するように願う。それだけが最後の瞬間まで最小限の品位と名誉を守ることができる道だ。