失敗した手倉森Jの4-3-3システム。守備陣立て直しに何をすべきか?
リオデジャネイロ・オリンピック男子サッカー競技が開幕し、日本はナイジェリアとの初戦に4-5で敗れ、黒星スタートとなった。 スコアを見れば惜敗と言えるが、日本が3点目、4点目を決めたのは、ナイジェリアが5点目を奪ったあとのこと。ナイジェリアが気を許したから決められたという見方もでき、実際には、2-5になった時点で勝敗は決した。敗れたこともさることながら、「耐えて勝つ」をテーマに「堅守速攻」のスタイルを志向しているだけに、5失点という現実が重くのしかかる。 「相手の13番のところで収まって、トップとトップ下のところで手を焼いた。そのときに自分たちで対策を持つ前に心理的に慌ててしまった」 手倉森誠監督は試合後、そう分析した。13番というのは身長190センチのストライカー、セリエAのローマに所属するサディク・ウマルのことだ。長身でありながら、キープ力もあって、ドリブルも上手いこのストライカーに、日本の守備陣は苦しめられた。 いずれもウマルと対峙し、2失点に絡んだセンターバックの塩谷司は「これまでに対戦したことのない感じの選手でした。足が伸びてくるんです」と振り返る。このウマルにゴール前で起点をつくられ、エコングにやられるというパターンを繰り返した。 想像以上に技術も迫力もあったナイジェリアの攻撃陣。加えて、「前半は0-0というイメージだった」(遠藤航)にもかかわらず、開始10分で2点を失い、ゲームプランが崩れ去る。そこに、それぞれのミスが絡み、最後まで動揺を引きずってしまった。 「ミス絡みの失点をしたあと、どうポジティブに、ゲーム中は気にせず、積極的なプレーをするか、すごく大事だなって思いました」(遠藤) もうひとつ言えば、4-2-3-1のナイジェリアに対して、マークをはっきりさせる狙いで導入した4-3-3もハマらなかった。マークをはっきりさせても、1対1で防げず、逆に傷口を広げてしまった。 「4点も取れているんだから、失点を抑えれば勝てる」と手倉森監督が言うように、コロンビア戦までの修正点が5失点を喫した守備にあるのは、間違いない。