起床後1時間以内にこれを食べると体内時計が整う…コンビニで簡単に手に入って睡眠に効く「おにぎりの具」
■糖質が足りないと不機嫌になりがち コンビニでタンパク源を調達するなら、サラダチキンもいいですね。 ただ、必ずおにぎりやパンなども一緒に食べてください。 これは私の会社員時代の体験ですが、定期的に集中してダイエットしている上司がいて、ダイエット期間にサラダチキンしか食べないという食生活をしていました。 その上司が、糖質が足りないために幸せホルモンのセロトニンが分泌されず、やたらとまわりに当たり散らして、迷惑をかけていたのです。 以上は少し極端な例かもしれませんが、セロトニンが足りないとイライラしたり落ち込んだりしやすくなるのは確かです。これでは、起きている間の生活の質も下がってしまいますね。 ■どうしても時間がなければガムを噛む もうひとつ、「噛む」という行為自体も、セロトニンの分泌に大きな役割を果たしているため、とても大切です。 前述のスムージーやヨーグルト、またプロテインなども、咀嚼がないという点でも朝食にふさわしいと言えません。何を食べる場合も、しっかり噛むことを意識してほしいです。 時間がなければ、せめてガムを噛むだけでもかまいません。 それがリズム運動になるので、セロトニンの分泌に役立ちます。 高いパフォーマンスや良好な人間関係を保つためにも、「朝食は必ずタンパク質と糖質をセットでとる」、そして「よく噛んで食べる」という鉄則を守ってください。
■朝からさつまいもはあまりにもったいない 朝食で糖質をとるときに大事なのは、穀物系の糖質を選ぶことです。 最近は、ダイエットを気にして、米やパンを食べずにさつまいもなどで代用する人がいますが、それはNGです。 研究論文でも、体内時計を動かしやすい炭水化物とそうでない炭水化物があることが示されているのですが、芋に含まれる炭水化物は、体内時計を動かしにくいので、朝食べるにはもったいないのです。 焼き芋はコンビニなどでも手に入るし、おやつや夜食ならもってこいですが、朝はできるだけ米かパンが望ましいでしょう。 また、糖質OKとはいえ、朝から菓子パンや甘いパンケーキなどを食べるのも避けてください。 というのも、そうした甘すぎるものを食べると、急激に血糖値が上がり、その後急激に下がる「血糖値スパイク」が起きて、眠くなってしまうからです。 すぐ食べられるものを買うときは、甘くないサンドイッチで、タンパク質と野菜が入っているものがいいでしょう。 たとえば、焼きそばパンや惣菜パン単体だと糖質と脂質に偏っていることも多いもの。サンドイッチのほうがバランスをとりやすいので、次のようなサンドイッチを選ぶようにしてください。 ・BLTサンドイッチ(ベーコンとレタスとトマト) ・照り焼きチキンサンド(レタスときゅうりと鶏肉) ・ミックスサンド(卵サンドと野菜サンド) 食物繊維には血糖値の急激な上昇を抑える効果がありますので、食物繊維が含まれる野菜と一緒にとることをおすすめします。ラーメンだけ、牛丼だけという糖質のみのランチも、急激に血糖値を上げやすいので避けたほうがいいでしょう。 ■体内時計を動かすおにぎりの具がある 「簡単に手に入って睡眠に効く朝食」という点では、ツナおにぎりもおすすめです。 ツナにある、DHA、EPAなどが含まれる「オメガ3脂肪酸」という物質が、体内時計を動かす作用があるという論文が出ています。しかも、いろいろな魚の中でも、マグロの油が一番体内時計を動かす作用が大きかったと言われているのです。 そういう意味で、ビジネスパーソンの出張時や、残業で深夜に帰宅した翌朝の朝食などにも、私はツナおにぎりをおすすめしています。そこで、ずれかけた体内時計を1回リセットできるからです。ツナのサンドイッチでもOKです。 ツナ缶というとシーチキンを思い浮かべる方もいると思うのですが、実はこのシーチキン、シリーズによって魚の種類が違い、ツナ(マグロ)ではなくカツオやブリから作られているものもありますので、注意して選んでくださいね。 ---------- ヒラノマリ(ひらのまり) スリープトレーナー、睡眠健康指導士 自身も不眠症を経験したことから睡眠学に興味を持ち、大学卒業後は大塚家具に入社。一般のお客様からホテル、保養所、大使館などのベッドや寝室全体のコンサルティングを経験する。現在は日本で唯一のアスリート専門の睡眠のパーソナルトレーナー『スリープトレーナー』としてメジャーリーガーの藤浪晋太郎投手、プロ野球選手、Jリーガー、オリンピック選手などに試合時に合わせた睡眠アドバイスから寝具・パジャマ選びまで行っている。 ----------
スリープトレーナー、睡眠健康指導士 ヒラノマリ