「若返り」を促す物質を豊富に含む食材とは?天然の薬箱ともいえる「野菜」の秘めたるパワーを紹介
野菜は「天然の薬箱」。無尽蔵に秘めたそのパワーを紹介
「野菜は体にいい」「野菜不足は体の不調を招く」というのは現代の常識。おそらく多くの人が料理、スムージー、サプリなどいろんなやり方で野菜の栄養素を摂取するよう努めていると思います。 【写真からレシピページへリンクします】献立のマンネリを解決!食材の組み合わせを変えただけの簡単レシピ5選 野菜は、食物繊維やビタミンが豊富。腸内環境を整えて肌をきれいにし、免疫力を高めてくれる効果がある──おそらく野菜に対する大方のイメージはこのようなものかと思います。 ところが、近年の研究によると、野菜は一般的に知られている以上の力があることがわかってきました。そのことをわかりやすく説明してくれるのが、『予防医学の名医が教える すごい野菜の話』という書籍で、著者の一石英一郎さんは本書の中で「野菜の持つパワーは無尽蔵であり、それ自体が天然の薬箱と言ってもいいほどなのです」と語っています。 では、天然の薬箱である野菜には、具体的にどのようなパワーが秘められているのでしょう? 今回は野菜と「若返り」効果との関連性について語った部分をご紹介します!
老齢のマウスを若返らせた物質とは?
一定年齢以上の人々にとっては、「できることなら若返りたい」という欲求も、切実なものになっているはずです。もしも、老化に抗い、若返りを促すような物質があるとしたらどうでしょうか。しかもそれが、ある野菜に豊富に含まれているとしたら? ことの発端は、二匹のマウスを使ったある実験でした。一方は老齢の、肥満していて動きも鈍い個体、そしてもう一方は、若くほっそりとしていて活動的な個体です。この二匹のマウスの体側の皮膚を剝ぎ取り、傷口同士をつなげた状態で癒合させると、やがてそれぞれの体が相手の体から血液を吸い出し、自分の体の中を巡らせるようになります。 すると、驚くべきことが起こりました。みるみるうちに老齢のマウスが若返り、逆に若いマウスが年老いていったのです。年老いたマウスが若返ったのは、若いマウスから吸い出した血液を経由して、「若返り物質」とでも呼ぶべきなにかを体内に取り込んだからだと考えられました。 その正体を探って世界中の研究者たちが探究を進める中、あるチームがついに問題の物質、NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)にたどり着きました。その研究を手がけたのは、米ワシントン大学医学部の研究チームですが、うち一人は日本人である今井眞一郎教授です(同大学医学部部門・人間栄養センター長のサミュエル・クライン教授との共同研究)。この方は、ノーベル賞を獲るかもしれないと私は踏んでいます。それほどまでに、NMNの作用に関する発見はインパクトの強いものだったのです。