愛知は織田信長、大阪は豊臣秀吉なのに秋田は“菅前総理”…「わが県のナンバー1偉人」にネット騒然も、地元民は納得しきりの裏事情
菅義偉は秋田県の偉人
9月2日に放送されたテレビ朝日系の人気クイズ番組「クイズプレゼンバラエティーQさま!!」で、「47都道府県で大調査! わが県のNo.1偉人ランキングから出題SP!」と題し、47都道府県の偉人にまつわるクイズが出題された。番組によると、各都道府県でアンケートを行い、県民が選ぶ偉人ベスト5を調査したのだという。 【写真】地元では大人気!秋田県・湯沢駅前に建立された菅前総理の銅像
東京都の偉人No.1は江戸城無血開城を実現した勝海舟、愛知県は戦国武将の織田信長、大阪府は大坂城を築いた豊臣秀吉、福島県は旧1000円札の肖像にもなった医学者の野口英世……という結果だった。教科書に登場したり、紙幣の肖像に選ばれたりした“妥当”な人物が1位になったといえる。 そんななか、視聴者が衝撃を受けたのが秋田県の偉人No.1である。なんと、前総理大臣の菅義偉氏が選ばれたのだ。ネット民も衝撃を受けたようで、「なぜ菅が1位なのか」「呆れ返った」「地元メディアがどれだけ忖度しているのかわかる」などの声が上がっていた。しかし、秋田県出身の筆者が断言するが、これは一切やらせでも忖度でもない。間違いなく、多くの秋田県民は菅氏を偉人と考えているのだ。
なぜ菅氏の人気が高い?
以前にデイリー新潮でも執筆した通り、秋田県内では菅氏の人気が極めて高い。菅氏の出身地である秋田県湯沢市の中心駅・JR湯沢駅前には、なんと菅氏の銅像が建立されたほどである。この銅像は、菅氏の顔が故郷である秋ノ宮地区を向いているという、謎の凝った仕様になっている。存命の政治家の銅像が早くも建立されたため、ネット民の間で話題になったのも記憶に新しい。 この銅像は、政治評論家やジャーナリストからの評判は散々であり、猛烈な批判もあった。なかには、税金で造った像だとか、菅氏の権力欲の象徴だとか、自民党に忖度して造った像だなどと発言する人もいた。 しかし、この銅像は菅氏が望んで作られたものではない。前湯沢市長の齊藤光喜氏らが発起人となり、地元の有志が中心となって“おらが町の総理大臣を顕彰したい”という純粋な気持ちで建立したものである。建立にかかる経費は約2100万円の寄付によって賄われたものであり、税金は使われていない。権力欲の象徴であるという指摘も、的外れである。