愛知は織田信長、大阪は豊臣秀吉なのに秋田は“菅前総理”…「わが県のナンバー1偉人」にネット騒然も、地元民は納得しきりの裏事情
ワクチン接種率1位は菅氏を尊敬するから
菅氏といえば、コロナ騒動の真っただ中に総理大臣に就任し、コロナワクチン接種事業を強力に推進した。河野太郎氏をワクチン推進大臣に任命し、接種1日100万回を訴えたことでも知られる。そんな菅氏の想いをしっかり受け止めたのが、言うまでもなく、秋田県であった。 NHKが公表しているデータによれば、2024年3月31日時点で、秋田県においてコロナワクチンを2回まで接種した全人口に占める割合は86.73%にも達する。これは全国トップの接種率だ。もっとも低い沖縄県は68.68%であり、秋田県とは大きな開きがある。 これは筆者の体感であるが、県内では未だにコロナウイルスを恐れている人が多い。今年の7月に帰省した際も、周りに誰もいない農作業中でもマスクを着け、炎天下でウォーキングする際もマスクを着けるおじさんの姿を見た。過疎化が進み、商店街のシャッター街化も著しく、常にソーシャルディスタンスがとれるような環境である秋田県だが、県民はテレビや政治家の警告にしっかり従って行動している。 筆者は、コロナワクチンの接種率の高さは、テレビの受信料の支払い率と相関性があるのかと仮説を立てていた。だが、ひょっとすると、秋田県のNo.1の接種率は、県民が菅氏のメッセージを忠実に受け入れ、接種を行ったためではないかとも思える。元来のテレビ文化に加え、おらが町の総理の発言――これは、コロナワクチンを打つには十分すぎる理由であろう。県民の菅氏へのリスペクトの精神は、こんなところにも表れていたのである。 ライター・山内貴範 デイリー新潮編集部
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