関西ジャニーズJr.、チェキッ娘、清竜人25――アイドルたちのセカンドキャリア
最初に大瀧が話題になったのは、『笑っていいとも!』で柳原可奈子のスタイリングを手がけたことだった。 オーダーを受けた大瀧は、柳原の個性を生かすことに腐心した。少しでもスタイルをよく見せてあげたいし、可愛くも見せたい。くびれがない体形だったら、ベルトを腰の高い位置に巻くことで、ハイウエスト効果があり脚長にも見える。根底にあったのは、誰であってもファッションを楽しんでほしいという思いだ。 「その当時、ぽっちゃりさんが着るプラスサイズの服は、ベージュや黒など地味なものしかなかったんです。常にメジャーを持ち歩いて可愛い服があったら採寸していました」 柳原の衣装が「おしゃれでかわいい」と話題になると、その後、同番組にいいとも少女隊として入ってきた渡辺直美のマネージャーから指名が来た。女性芸人といえば、パンツにチェックのネルシャツなどのヤボったい服が定番だった時代、渡辺の衣装には従来のイメージを覆したいとの思いを込めた。 当初は大瀧の選んだ服を楽しみにしていた渡辺が、2013年ごろから積極的に衣装選びにも参加するようになった。彼女が世界的なファッションアイコンとして影響力を持つようになったのは、大瀧の力が多分にあったに違いない。
アイドル時代の心残り
現在は渡辺や有吉のほかに、バイきんぐなど数多くの芸人を担当する。 「自分のスタイリングの特徴は大勢の中で埋もれないこと。芸人さんだったらひな壇で、その人の個性が輝くように考えます」 アイドル時代の大瀧を知っている人は、今ではほとんどいない。だが、チェキッ娘のメンバーとはいまだに毎日のように連絡を取り合い、定期的に会食を続けているという。 メンバーのお父さんが握ってくれたすしをつまみに、家庭の悩みや子供の話をする。服のお下がりをあげたり、はやりのメイクを教えてあげたりすることもある。
チェキッ娘を卒業するとき、たった一つだけ心残りがあったという。 「他のメンバーは写真集を出していたけど、自分は声がかからなかったんです」 だが、4年前にスタイリストとしてファッションブックを出すことができた。 「これが私にとっての写真集なんでしょうね」 卒業は新しい始まりなのだと彼女の笑顔が教えてくれたような気がした。