関西ジャニーズJr.、チェキッ娘、清竜人25――アイドルたちのセカンドキャリア
裏方を志したのはみんなと一緒にいたかったから
咲乃が発信を続ける道を選んだとすれば、自らの意思で裏方へ回った者もいる。「チェキッ娘」で活躍した大瀧彩乃(39)は現在、スタイリストとして活躍。ファッションアイコンとして幅広い世代に認知される渡辺直美や、有吉弘行らの有名タレントを数多く担当している。 「16歳の時に知人が番組の公開オーディションに履歴書を送ってくれたことで、まったくの素人だった私が芸能界に入ることになったんです」 メンバーに選ばれてからは、学校の授業が終わると毎日のようにお台場のフジテレビまで通って生放送の番組に出演した。生活の中心はアイドル活動に移っていった。チェキッ娘の同期には当時人気だったモーニング娘。のオーディションを目指していた者も多く、いわばセミプロともいうべきメンバーたちの中で、完全なる素人であった大瀧は周囲に圧倒された。 メンバーのひとり、藤岡麻美(ディーン・フジオカの妹)を初めて見たときは、「こんな美しい人間がいるんだ」とため息をついたという。
それゆえ19人の中で個性を出すことを強く意識した。お団子を3つものせたユニークな髪形にしたのは、少しでも視聴者の記憶に残るようにするため。集団の中で生き残る術だった。 1999年11月3日のグループの旅立ちライブの日は終演後も涙が止まらなかったという。第2の居場所が消滅することに耐えられず、「帰りたくない」と楽屋で駄々をこねた。 グループの中なら居場所はあっても、一人で芸能界を渡る才能や器量はないと感じていた大瀧が、芸能人の洋服を選ぶスタイリストという仕事を選んだのは、仲間に似合う服を選んで喜ばれるのが好きだったし、「この仕事ならみんなと付き合い続けることができる」と考えたからだ。
セカンドキャリアでの飛躍
まずはファッションブランドや服の由来をもっと知りたいという理由で、下北沢の古着屋で働いた。1年後に知り合いから紹介されたのが、今でも師匠と呼び慕うベテランスタイリストだった。人気タレントのスタイリングで活躍する師匠のもとで10年間、スタイリストのいろはをたたき込まれた。師匠はタレントの信頼を得ることが大事だと教えてくれた。