関西ジャニーズJr.、チェキッ娘、清竜人25――アイドルたちのセカンドキャリア
全てが一つになる
税理士資格を取得後、26歳で地元の大阪で事務所を開業。29歳で東京進出。売り上げを伸ばし続けている。 「自分はアイドルらしいアイドルになれなかった」という呉村。関西ジャニーズJr.時代の仲間はライバルだったが、それ以上に親友だった。仲間がどれだけ人気になっても嫉妬はなかったという。売れている先輩たちから感じるオーラは圧倒的だったし、「自分がここで競争できるとは思えなかった」と振り返る。 「それが僕のアイドルとしての限界だった。アイドルとして成長するより、中身を認められたいと思っていたのかもしれません」 ジャニーズ事務所という後ろ盾があるからこその人気。それにも気づいていた。役者、税理士という仕事を選んだのは、実力で勝負したいという思いがあったのだろう。
果たしてアイドル時代は無為な時間だったのか。呉村はゆっくりと首を振った。 「アイドル時代には自分を表現することの大切さを学びました」 自分を出さないと集団に埋もれてしまう厳しい世界で、自分をどう表現するのか毎日知恵を絞った。年齢が上の大人と仕事をすることで、円滑なコミュニケーション能力も磨かれた。 それはかけがえのない経験だったといまならわかる。いまの呉村を作り上げたのは、あの日々があったからだ。 「アイドルから現在まで全てが一本の線でつながっているんです」 --- キンマサタカ 1977年9月4日生まれ。大学卒業後にサブカル系出版社に入社し、書籍編集から営業まで幅広く担当する。2015年に編集者として独立。株式会社パンダ舎を設立し、多くの書籍を手がける。ライター・写真家としても活躍し、岩井ジョニ男のインスタをプロデュースしたことで話題に。著書に『だってぼくには嵐がいるから』、編集した本に『どのみちぺっこり』(飯尾和樹著)など。