関西ジャニーズJr.、チェキッ娘、清竜人25――アイドルたちのセカンドキャリア
尊敬する動画クリエイターがくれたアドバイス
3年にわたる清竜人25の活動休止を伝えられたのは解散の1年前だった。不安はなかったのだろうか。 「目の前にあることを本気でやらなきゃって思ったのが正直なところですね。先のことはわからないけど、その時になったらやりたいことは自然に出てくるだろうと思っていました」 そして選んだ動画クリエイターの道。それまで動画編集の経験はほとんどなかっただけに、当初は10分の動画を編集するのに5時間かかったという。心が折れそうになった時に響いたのが、尊敬する動画クリエイターからのアドバイスだった。 「『楽なほうに逃げないように高い機材をそろえなさい。そうすれば必然と向かい合うことになるから』と言っていただきました。その当時はお金がなかったのですが、パソコンなどをローンで買いました」 それと同時に、カメラのアングルだったり、照明だったりと、その人が持っているノウハウを数え切れないほど教えてもらったという。アイドルから動画の世界に飛び込んだ彼女に対して、周囲は優しかったようだ。 「事務所のスタッフからは『発言に気をつけなさい』と言われました。何げない一言でも周りの人がどう思うか考えなさいって」
誰かが守ってくれたアイドル時代と違い、責任を取れるのは自分しかいないことを突きつけられたともいえる。 アイドル時代に「ゼロから作品を作り出すMV撮影がすごい好きだった」という彼女にとって、動画を生み出す過程はそれにも似た満足感を与えてくれた。工夫を目に見える結果につながることも、やる気につながった。最近では動画から派生してプロデュースしたコスメやカラコンの販売が好調だという。 「アイドルは楽しかったし、人生の中で一番充実した活動だった」と振り返るが、若さや見た目は永遠に続かないことも教えてくれた。年齢を重ねることは誰にでも等しく訪れる現実である。 「みんなと一緒に年を重ねながら、私が作る動画やプロデュースする商品に価値を見いだしてもらえたらうれしい。アイドルは楽しかったけど、動画こそが天職だと思います」