2024年版 カッコよくて実用的なステーションワゴン 10選 多用途に使える「合理的」な1台
2. ダチア・ジョガー
長所:トップクラスのコストパフォーマンス、使い勝手の良い3列目シート、経済的なエンジン 短所:セーフティシステムがフル装備ではない、乗員の居住空間が広くない ルーマニアの自動車メーカーでルノー傘下のダチアが欧州市場で販売するジョガー。日本では無名のモデルだが、果たしてこれはステーションワゴンなのか、ミニバン(MPV)なのか、あるいはSUVなのか、触れた人によって意見が分かれると思う。確かに7人乗りで車高もそこそこ高いが、筆者はステーションワゴンだと捉えている。 ここ数年の生活費の高騰を考えると、ダチア・ジョガーは特に歓迎すべきモデルだ。一般的なハッチバックよりもかなり安い価格で、使いやすい3列目シートと広い室内空間を実現している。 安いからと言って、快適な乗り心地を犠牲にしているわけではない。確かに、内装のプラスチックは硬く、肌触りのいいレザーシートもないが、ファブリックやアルミ調トリムをうまく使うことで好印象に仕上げている。 上級グレードにはシートヒーター、クルーズコントロール、ナビゲーション、そして機能的なインフォテインメント・システムが追加される。インフォテインメントは高価な他車よりも使い勝手が良い・ 搭載される1.0Lガソリンエンジンは決してパワフルではないが、キビキビと決まる6速MTのおかげで十分に道を切り開く。イチオシは質素なガソリン車だが、どうしてもATが必要なら、非常に優れた経済性を発揮するハイブリッドがお勧めだ。 ソフトなサスペンションで乗り心地は良いが、全体のバランスに優れ、曲がりくねった道でも運転を楽しめる。欧州の安全性評価機関ユーロNCAPで「1つ星」の最低評価を受けてしまったが、これは決して “危険な乗り物” というわけではない。一部のアクティブ・セーフティ・システムがないことから減点となったが、衝突時の乗員保護性能は他車と遜色ないレベルだ。 ダチア・ジョガーは、比較的安価な価格で多くの楽しさを提供してくれる、陽気で快適なパッケージである。高級車とは正反対だが、好きにならないわけがない。