最近よく聞く「タイパ」とは?程よく取り入れることで、得られるものも
高タイパ主義で得られるもの・失うもの
タイパを重視することで、情報の取得や伝達はかなり効率化されます。そしてそれは意思決定の迅速化にもつながります。 昔なら本屋や図書館に行かないと得られない情報が手元で瞬時に取得できます。映画館やレンタルショップに行かないと見られなかった映像コンテンツも同様です。ネットショッピングは「店舗まで移動する」という手間を省きました。こうしていろいろなことが効率化されています。タイパを追求したおかげで、私たちは「労力」を大幅に削減することができています。 では、こうして削減された労力はなにに置き換えられたのでしょうか? これは2つのパターンがあると考えられます。ひとつは「ゆとり」、もうひとつは「もっとタイパを向上するにはどうすればいいのか考える時間」です。 本来であれば、使わなくて済んだ時間や労力は、ゆっくりとリフレッシュする時間や、趣味などやりたかったことに時間をかけるために使いたいところです。もちろん、そうしている人も多いとは思います。 その一方でタイパを意識するあまり、常に「次のタイパアップ」を考えてしまう人もいることでしょう。もしそうなってしまったらどうでしょうか? 「ずっとなにかに追いかけられている」という気分になる人もいるかもしれません。これではもともとタイパを向上して実現させようとしたことから離れて行ってしまいます。当然ストレスも多くなりますから、メンタルヘルス的にも好ましくはありません。
「タイパ」と上手につき合うために意識したいこと
私たち人間は、なにかに挑戦しているときに幸福感を感じるといわれています。スポーツもゲームも勉強もチャレンジして、その後に達成感や喜びが生まれます。タイパだけを意識した生活は、私たちから「成長する喜び」を奪ってしまうかもしれません。 タイパの高いものやIT技術は本当に便利です。そして今の生活とは切っても切れない存在になっています。その恩恵をしっかりと受けながら、その分しっかりと余裕を得て、そこで生まれた時間でチャレンジする。これがタイパの正しいあり方だと私は思います。
川本義巳