格安スマホ「シェア・満足度」調査の意外な結果 シェア最下位「日本通信SIM」が満足度ではダントツ1位 低料金競争さらに激化
大手の安いサブブランド攻勢に善戦する格安スマホ
J‐CASTニュースBiz編集部は、MMD研究所の調査担当者に話を聞いた。 ――新規受付を停止した「OCN モバイル ONE」と「楽天モバイル(MVNO)」もシェアが多いという理由で調査対象に入れていますが、そもそも両サービスが格安スマホ撤退した理由は何ですか。 調査担当者 「OCN モバイル ONE」はもともとNTTレゾナントが運営しており、2023年7月にNTTドコモに吸収合併されました。ドコモグループは吸収合併に伴う料金プランの見直しのため新料金プラン「irumo」に一本化する方向に動きました。 楽天モバイルは2014年に格安スマホ(MVNO)に参入しシェアを拡大しましたが、2019年に総務省より5Gの周波数が割り当てられ、10月に大手通信キャリア(MNO)のサービスを開始しました。MNOに集中することもあり、2020年4月にMVNOは新規受付が終了となりました。 ――【図表1】の格安スマホのシェアの推移を見ると、2019年9月(13.2%)のピーク後、9%台で横ばい傾向が続いています。これは伸び悩んでいるか、それとも大手の安いサブブランド攻勢にも耐えて頑張っているのか、どちらでしょうか。 調査担当者 2020年に楽天モバイルがMNOに参入したことや、「UQ mobile」がKDDIのサブブランドへ移行したことなどで、シェアが低下したように見えた理由があります。シェアが高かった「OCN モバイル ONE」などが新規停止しているため、減少する要因があるなかで横ばい傾向ということは、ほかの格安スマホは増加しているので、善戦しているといえます。
「日本通信SIM」は、積極的に安い料金を打ち出す姿勢が高い評価
――各社とも具体的にどういう工夫や努力で善戦しているのでしょうか。特に「J:COM MOBILE」「IIJmio」「mineo」の伸びが著しいですが、それぞれどういう魅力があるのでしょうか。 調査担当者 格安スマホは、若年層より40代~50代の中年世代の層が厚いため、そこに力を注いでいます。 「J:COM MOBILE」は、「J:COM TV」や「J:COM NET」などTVや光回線など顧客基盤となるサービスを提供しており、モバイルとセットの契約することでギガが増量される「データ盛り」が好調と聞いています。調査結果でも契約した理由で「光セット割で料金がお得になるから」が高い結果となっています。 「IIJmio」では、「スマホ端末が安く買えるから」とか、「mineo」では独自のコミュニティーサイトがあり、サービス・顧客サポートの満足度が高いなど、それぞれの強みを活かしています。 ――ところで、シェアでは7サービスで最下位の「日本通信SIM」が、総合満足度と顧客推奨度で圧倒的1位ですが、どんな点がユーザーの心をひきつけたのでしょうか。 調査担当者 「日本通信SIM」は合理的プランという特徴的なプランを3つ用意しています。なかでも「シンプル290」という1GB 290円という格安のプランが人気です。また、直近で30GBプランを料金据え置きのまま50GBに増量するなど、積極的にお得な料金プランを発表したことが話題になりました。 そういう企業姿勢もあり、料金満足度が非常に高いです。ユーザーの通信料金を安くしたいというニーズに対応する姿勢が、総合満足度や顧客推奨度に表れていると思います。