今季で“退団危機”の選手も多数…「ソフトバンクのドラ1」の苦戦ぶり、戦力になれないケース続く
昨年は4年ぶりとなるパ・リーグ制覇を果たしたソフトバンク。長年司令塔を務めた甲斐拓也がフリーエージェント(FA)で巨人に移籍したのは不安要素だが、実績のある投手の上沢直之を獲得しており、今年も優勝争いに加わる可能性は極めて高いだろう。 【写真】かつて14勝をあげたこの投手も、崖っぷちに追い込まれている? しかしそんなソフトバンクで大きな課題となっている点がある。それがドラフト1位で指名した選手がことごとく戦力になっていないという点だ。過去10年のドラフト1位指名で入団した選手の成績と現状を最後にまとめたが、高橋純平、吉住晴斗の2人が既にユニフォームを脱いでおり、田中正義(日本ハム)と甲斐野央(西武)もともにFAの人的補償で他球団へ移籍となっているのだ。 そして現在もチームに残っている選手も苦しい状況となっているケースが目立つ。まず今年が崖っぷちのシーズンとなるのが2021年ドラフト1位の風間球打だ。明桜では150キロを超えるスピードボールが注目を集め、3年夏に出場した甲子園でも好投。早々にソフトバンクが1位を公言し、単独指名で入団した。 しかし入団から2年間は二軍での登板もなく、昨年も二軍で6試合の登板で防御率5.40と結果を残すことができずにこのオフには育成契約となったのだ。さらに台湾で行われたウインターリーグでも7試合、8回2/3を投げて17四死球、自責点7で防御率7.27と全く結果を残すことができなかった。支配下復帰のためには同学年で大学4年生の投手と比べて明らかに上回ったところを見せる必要がありそうだ。 佐藤直樹(2019年1位)、井上朋也(2020年1位)の野手2人も二軍では安定した打撃を見せているものの、一軍ではなかなか結果を残せないシーズンが続いている。またイヒネ・イツア(2022年)も二軍で二桁盗塁をマークするなど脚力は非凡なところを見せているものの、打率は1割台と目立った数字を残すことはできていない。年齢的にも若いだけにまだ猶予期間はありそうだが、佐藤は一度育成落ちも経験しているだけに、決して余裕のある状況とは言えないのが現状だ。それを考えると順調なのは昨年ルーキーながら二軍で結果を残した前田悠伍だけと言えるだろう。