尾身会長、変異株拡大「今までとフェーズが違う」 重点措置地域の県外移動自粛求める
新型コロナウイルス対策を審議する政府の分科会の尾身茂会長は8日夜、変異ウイルスが関西で広がり、首都圏でも増えつつある現在の感染状況について「今までとは違うフェーズに入った」と強い危機感を示し、県をまたいでの移動や不要不急の外出自粛、外出する場合は混雑した場所や時間を回避することを呼びかけた。 【動画】新しい「ステージ指標」案を提示 コロナ対策分科会後に西村&尾身氏が会見
飲食以外の場でも「混雑した場所」は避ける
分科会後の記者会見で、変異株の拡大でこれまでの対策で収拾がつけられるのかとの質問に対して答えた。ここのところの政府や自治体のコロナ対策について「時短や休業要請がメインになっているが、今はその状況ではない」と指摘し、「ウイルスの密度が高くなっている。そういう中で変異株(の拡大)ということで、かなりいま重要な局面だ」との見解を示した。 そんな中でどんな対策を取るべきかについて、「いまのこの状況で感染を下方に転じさせるためには、単に飲食店の感染対策だけでは十分ではないんじゃないか」と述べ、さまざまな対策の「パッケージ」で対応するべきだとした。 具体的に、より十分な対応を取るためには「特に人が集まるところ、飲食では4人(以下で)と言っているが、他の場所でも人数が集まるようなところをなるべく避ける」ことが重要だとした。 さらに「強調し過ぎることはないと思うが」と前置きした上で、大阪や兵庫、宮城など「まん延防止等重点措置」(重点措置)の対象地域には府県を越えて行かないこと、府県から出ないことを求めた。 変異ウイルスは首都圏でも増えてきており、東京都も9日に重点措置の対象になる見通しだ。尾身会長は一方で「ワクチンという福音」もあると述べ、「高齢者の希望者のほとんどで(ワクチン)接種が終わるまでは、どうしてもみんなでしのぐ必要がある」とこうした自粛に対する理解を求めた。