「L3リフト」の産みの親でまつ毛の守護神JUMIが考える まつ毛業界の今とこれから
WWD:キャリアが断たれたアイデザイナーも多かったのでは?
JUMI:多かったと思います。中にはお客さまの施術を辞めて、指導者になる方もいました。けれども今だから言えることですが、一定の規制ができたことはまつ毛業界にとっては良かったんだと思います。まつ毛エクステがブームになる一方で、施術するにあたって必要な資格がなく目元のトラブルが急増していたのも事実です。まつ毛エクステの施術そのものを規制する動きもありましたから、一定の規制ができたことでアイデザイナーという職業が無くなることなく、今のまつ毛業界の盛り上がりにつながったと考えています。
WWD:休業から美容師免許を取得して、再オープンしたときにはお客さまは戻ってきましたか?
JUMI:「絶対に美容師資格を取る!」と宣言して、復帰のタイミングに合わせて予約を取っていました。ありがたいことに信じて待ってくださっていたお客さまが多かったです。当時はエクステが大ブームだったこともあり、集客に困ったことはなかったですし、100本装着で2万円程度の単価で施術をしていました。しかし世の中では次第に安価なサロンが増えて価格競争が激化していきます。価格競争が起きると安価で質のよくない商材が使われるようになりトラブルが増えますし、アイデザイナーも顧客数をこなすので精一杯になり、施術の質が低下。サロン迷子になってしまったお客さまが、紹介や口コミで私のもとに足を運んでくださることもありました。
WWD:たしかにまつ毛エクステは「すぐに取れてしまった」「仕上がりのイメージが思っていたのと違った」といった声を聞くこともあります。
JUMI:とっても残念なことです。さらにコロナ禍でサロンに足を運びづらくなると、まつ毛エクステのメンテナンスができずにエクステ離れが加速しました。エクステはまつ毛の生え替わりのタイミングなどで、時間が経つと寂しい印象になってしまうので、メンテナンスがどうしても必要です。定期的に来店できないときれいに保つのが難しかったりします。ただしマスクをする中で目元の印象が大切にされるようになり、まつ毛パーマや眉毛の施術がフォーカスされるようになりました。