ラグビーの次の番狂わせは女子バスケの番?
バスケットの女子日本代表が先のアジア選手権でアジアの最大ライバルである中国を決勝で下して優勝、3大会ぶりのリオ五輪出場権を勝ち取った。9月21日には、祝勝会が開かれ、日本バスケットボール協会の川淵三郎会長が、3大会ぶりの五輪出場を決めた女子バスケ代表に対して、「目標はメダル獲得。これしかない。ラグビーのW杯で日本代表が南アフリカに勝つことは絶対ないと思っていた。女子バスケも、日本らしさを持てばメダルを狙える」と、ハッパをかけた 。 川淵会長が出馬するまで、国内の組織統一が進まず、一時は、五輪予選となるアジア選手権への出場さえ危ぶまれていた日本代表チームは、なぜ勝てたのか。なぜ強くなったのか。そして、彼女らは、リオ五輪でメダルを獲得できるのだろうか。 元アトランタ五輪代表で、現在は解説活動などをされている原田裕花さんは、「リオ五輪でのメダル獲得の可能性はあると思いますし、今の代表なら実現してくれるんじゃないかと期待が膨らみます」と、見通しを語る。 昨年の世界選手権ではグループリーグで1勝もできず16チーム中、14位に終わった日本代表が、アジアで頂点を極め強くなった理由として、原田さんは以下の5点を挙げた。 1.サブメンバーの底上げも含めたメンバー構成の成功 2.コート内での選手の判断力のアップ 3.ディフェンス力向上からのトランジションの強化(ファーストブレイク(速攻)) 4.海外で活躍中の渡嘉敷効果 5.リバウンド力の安定 今回のメンバー構成の大きな特徴は、長らくリーダーとしてチームを引っ張ってきた大神雄子(32)をメンバーから外して世代交代を進め、司令塔でありキャプテンに吉田亜沙美(27)を抜擢したこと。そこにWNBA帰りの192センチの渡嘉敷来夢(23)、センター間宮佑圭(25)らが存在感を示した。 特に原田さんが注目したのは、シューティングガード、本川紗奈生(23)のプラスアルファだ。 「吉田選手の司令塔としての活躍に加えて、本川選手のスピードを生かした縦へのドライブ、爆発力は衝撃的でした。気持ちを前面に出す本川選手の度胸のあるプレーがチームの勢いにつながりました。元々、ディフェンスを掻き回すことのできるプレーヤーだったのですが、以前は少し波がある印象でした。今回は強気なプレーが大会を通して発揮されいい方向に進みました。またセカンドユニットを作れるくらいにサブのメンバーの底上げができていました。 吉田選手のバックアップの町田瑠唯選手(23)をはじめ、篠崎澪選手(23)も得点能力が高く、高田真希選手(23)、山本千夏選手(23)も、チームに流れを呼ぶいい仕事をしました。36歳のベテランの三谷藍選手も今までの経験をいかしたアドバイスでチームをサ ポートしていました。キーマンだけでなく、チーム全体で勝ち取った勝利でしょう」 原田さんは、先発メンバーとサブメンバーの実力差が目立たず、1人1人がしっかりと自分の役割を果たし12人全員が一丸となって戦えたことを評価した。