〈欧米と日本のコンテナの大きさは違う?〉独自の発展により日本が失ったコンテナ輸送のメリット
一方、太平洋航路においては、68年に日本郵船が日本最初のコンテナ船を米国航路で就航し、相前後してシーランドが横浜~西海岸航路で月6回の定期コンテナサービスを開始。北米や欧州で急速に普及しつつあった国際海上コンテナの利用によるインターモーダル輸送が日本にも拡大するかに思われた。 しかし、上表に示した通り、日本では鉄道によるコンテナの国内輸送を前提にした小型のコンテナが独自に発展しており、その独自性が現在に至るまで受け継がれている。詳細は後述する通り、日本の貨物輸送は、欧米とは根本的に異なる途を辿っているのである。
国際海上コンテナの普及が与えた影響
1956年にマルコム・マクリーンが最初に製作したコンテナは、当時のトレーラーのサイズに合わせた、長さ35フィートのコンテナであったが、その後様々な過程を経て、現在流通している国際海上コンテナの仕様は、下図の通りとなっている。 45フィートコンテナは、1980年代に米国のトレーラーサイズが40フィート中心から45フィート中心に移行する過程で現れたものであり、米国のトレーラーのサイズが国際海上コンテナに及ぼす影響の大きさを表していると言えるだろう。 上表に示した標準コンテナは、トラックから船へ、船から鉄道へ、鉄道からトラックへと輸送モードが変わる度に貨物自体の積み替えが発生していた従来の国際間貨物輸送を根本から変革した。バラの貨物自体を積み替えることなしに、貨物をあらかじめ詰め込んだコンテナという標準化された “箱”を、トラックから船へ、船から鉄道へ、鉄道からトラックへと、ガントリークレーンやトランスファークレーン(コンテナの積み替えをする特殊車両)により標準化された荷役方法で、載せ換えれば済むようになったのである。
このような貨物積み替えなしのインタクト方式を通じて、港湾・鉄道ターミナル等の物流の結節点におけるリードタイム・労力・コストが大幅に削減されることになったのである。