【記者解説】“カネで人事は動いていたのか…?” 金品授受問題の調査チームが最終報告、名古屋市教委を非難「公正さに対する無神経さが問題の本質」
名古屋市教育委員会に、推薦名簿と共に金品が送られていたという前代未聞の事態が発覚してから半年。本日8月28日、調査検証チームによる最終報告書が名古屋市の河村市長へ提出されました。 果たして“カネ”で人事は、動いていたのでしょうか。 この問題を取材している中京テレビ・鈴木拓己記者が、「金品授受問題」の最終報告書にて、どのようなことが書かれていたのか解説しました。
河村市長は失望「信頼感は地に落ちた」
本日8月28日に開かれた、調査検証チームの会議。そこでまとめられた最終報告書が、名古屋市・河村たかし市長に手渡されました。「情けねーですわ、こんなことやってまって」「信頼感はほぼ地に落ちたということ」と、会見で失望の声をこぼした河村市長。
ことの発端は半年前。2024年2月、教員の人事を決める教職員課が、校長などの推薦名簿とともに金品を受け取っていたことが発覚。送っていたのは、校長会など教員の団体でした。 名古屋市役所では、この問題を受けて調査チームが発足。同チームによる、検証がスタートしました。
7年間で約1312万円、主な使い道は“会合費”
中京テレビ「キャッチ!」では、今年3月にかつて教職員課に務めていた男性にインタビュー。 「金で役職を買っているんだろうと言われてもしょうがない」と心境を語った男性。受け取った金品の使い道については、「人事のシーズンになると長時間集中する仕事があるのですが、そのときのおやつであったり、タクシーチケットだったりそういうものに変えられていた」と明かしました。
今年3月に調査検証チームから出された中間報告書では、2017年度以降の7年間で、合計約1312万円あまりを受け取っていたことが発覚。その使い道は、職員の弁当や菓子代、仕事が遅くなったときのタクシー代など。そして最も多かったのが、外部の団体などとの“会合費”でした。
さらに調査検証チームは、昇進候補者の88%が、何らかの推薦名簿に載るという異常な事態を指摘。そして本日、河村市長に最終報告書が手渡されました。 果たして、カネで人事は動いていたのでしょうか。