戦々恐々…5人目感染者で神戸の有観客興行が無観客開催に…大阪の“ボクシングクラスター“はどこまで拡大するのか?
だが、大阪府では、保健所が濃厚接触者に指定しなければPCR検査を受けることができる状況にはなく、不安を抱くボクシング関係者は、次々と独自のルートで抗原検査、PCR検査などを受けており、「陰性」の結果に安心しているジムがある一方、抗原検査に陽性反応を示している関係者、選手がいるとも見られている。 西日本ボクシング協会は、20日に加盟ジムに“出稽古“の自粛を通達。実質、他ジムに出向いてのスパーリングを禁止して、さらなる感染拡大の防止に動き、25日に神戸市立中央体育館で有観客で行われる予定だった「REAL SPIRITS vol 67」は、今回の影響を受けて、急きょ、無観客開催、ネット配信の方式に変更された。 また大阪では8月9日に枚方で有観客の興行が開催される予定だが、そのまま有観客で行うか、無観客になるかが再検討される事態に。主催者は「興行は必ず行う」という決意を固めている。 加えて関西での”出稽古”が禁止されたことで「今後の興行で出場選手の準備に公平性が保たれるか」という問題まで発生している。つまり他ジムとスパーリングのできない関西の選手と、スパーリングが可能な関東を含む他地域との選手の試合では不公平が生じる可能性があるのだ。 この日、JBCと日本プロボクシング協会による「新型コロナウイルス対策連絡協議会」が開かれたが、その中では、すでに全ジムに通達されている感染予防のガイドラインに、新たに”出稽古”に関する注意事項を付け加えることや、プライバシーの保護などを理由に新型コロナウイルスの感染者が出た場合に非公表となっているジム名の公表問題についても協議された。 「クラスターが出た場合は社会的な責任が大きい」(安河内事務局長)との見方があり、クラスター認定された場合のみ、公共の安全性を優先してジム名を公表することも議論された。 今回、保健所による濃厚接触者の指定に時間がかかっているため、同ジムの関係者が、濃厚接触の疑いのある人たちに対しては、直接、謝罪を含めて連絡を回しているようだが、“出稽古”先のジムだけでなく、選手が立ち寄った飲食店など、二次感染の可能性のある場所は、多岐にわたっており、そこからの三次感染を防ぐ意味でもクラスターが発生した場合にジム名を非公表にすることには社会的な問題がある。だが、その場合、ジムの今後の経済活動に致命的な打撃を与えることにもなり、簡単に結論の出せない問題となっている。