鈴木彩艶にとってパルマは“最高の環境”と断言できる理由。日本人の気質に一番似ているパルメンセ、GK専用の練習場など国内トップのトレーニングセンターも
屈指のハイソサエティー都市
鈴木彩艶はパルマで活躍できるのか。次代の日本サッカー界を担う守護神のステップアップ。中田英寿がプレーしていた時代(2001~04年)に、5年ほどパルマに住んだ経験もあるなど、イタリアに精通する垣内一之氏に見解をうかがった。 【PHOTO】華やかで可憐なスタジアムの華!名手たちの妻、恋人、パートナーら“WAGs”を一挙紹介! ――◆――◆―― 今回も『パルマトゥデー』紙で番記者を務めるグリエルモ・トゥルッポ氏の言葉も借りながら、セリエAで14人目の日本人選手としてパルマに移籍した彩艶への地元での反応や期待、なぜパルマが移籍先として最適かなどを探っていきたい。本稿のテーマは「最高の環境」だ。 パルマと聞いて、パルマパム(プロシュート)、パルメザンチーズ(パルメジャーノ・レッジャーノ)を思い浮かべる人は決して少なくないだろう。まさにその通り。パルマはこの世界に誇る2大食品のおかげで、イタリアでも屈指のハイソサエティー都市として知られる。 イタリア人を対象にした「住みたい街ランキング」でも、常に上位にランクイン。大都市ミラノからも電車や車で約1時間という立地も、飛行機移動が必須の外国人選手にとっては少なくないアドバンテージだ。“都会のオアシス”と称しても決して過言ではない。 そんな有数都市だから、地元で育ったパルメンセ(パルマの人)たちは誇り高き“人種”で有名だ。ラテン気質のイタリア人は“明るくて陽気”というイメージが先行している。大まかに言えば間違いではないが、出身地によって性格は全く異なる。 パルメンセはどちらかと言えばおとなしく、内向的な性格が特徴。約5年間、パルマに住んだ自身の経験から言えば、イタリアの中では日本人の気質に一番似ているのではないか。 それこそ道でサッカー選手にすれ違っても、サインや写真を求められたりすることは、ほとんどない。トゥルッポ氏も「パルマは落ち着いた街。(他クラブと違い)プレッシャーもそれほどない。クラブのため、チームのためにプレーしている姿を見せさえすれば、サポーターからは評価されるし、街で声をかけられたり、邪魔されることもない。プライバシーは守られるし、選手へのリスペクトも多大だ」と言う。 パルマの街は、彩艶にとってもサッカーに専念できる最高の環境と言えるだろう。