住宅ローン金利上昇時に負担を減らす奥の手とは?! 「元金均等返済」や「返済期間短縮」で1000万円以上のメリットも!
住宅ローンの金利が高くなると、当然のことながら返済負担は重くなってしまう。しかし、ローンの組み方によっては、その負担増を最小限に抑える奥の手がある。これから始まる本格的な金利上昇に備えて、ぜひとも知っておきたい技を伝授しよう。(住宅ジャーナリスト・山下和之) 知らないと大損する?! 多数が勘違いしている変動金利の5年ルール 目次金利1%上昇で総返済額は1000万円も増加!金利上昇時には「元金均等返済」が有利になる金利が高くなるほど、返済期間を短くするメリットが大きくなる金利が高いほど繰上返済の効果が大きくなるまとめ
金利1%上昇で総返済額は1000万円も増加!
まずは、金利の上昇でどれくらい返済負担が増えるかを見ておこう。 図表1にあるように、金利0.5%、借入額5000万円、35年元利均等・ボーナス返済なしの毎月返済額は12万9792円。これが35年間続いたときの完済までの総返済額は、約5451万円になる。 図表1 金利別の毎月返済額、総返済額の変化(元利均等) 設定条件:借入額5000万円、35年元利均等・ボーナス返済なし 0.5%だった金利が1.0ポイント上がって1.5%になると、毎月返済額は15万3092円で、総返済額は6429万8640円だから、0.5%に比べると総返済額は978万6000円も増えてしまう。 金利1.0%で返済負担は1000万円近く増加する計算だ。 さらに、金利が2.5%になると、0.5%に比べての総返済額の差は2056万1100円と、2000万円を超えてしまう。 最近は住宅価格の高騰が続いているので、借入額が5000万円ではすまず、1億円必要といったケースも出てくるだろう。そうなると返済負担は2倍だから、金利上昇の影響がますます大きくなってしまう。 そこで考えておきたいのが返済方法だ。住宅ローンを組むときには以下を選択することができる。 (1)「元金均等返済」か「元利均等返済」か (2)返済期間を短縮するかどうか (3)繰り上げ返済を利用するか 金利上昇時には、上記の返済方法のポイントを知っておくことで、負担を軽減できる可能性がある。