住宅ローン金利上昇時に負担を減らす奥の手とは?! 「元金均等返済」や「返済期間短縮」で1000万円以上のメリットも!
金利上昇時には「元金均等返済」が有利になる
元利均等返済は、金利が変わらなければ毎回の返済額の合計が均等になる仕組みで、当初の返済額は元金均等より少なくてすむ。当初の負担が軽くなり、借入可能額が多くなるので、ほとんどの人が元利均等を利用している。 図表2 元利均等返済のイメージ それに対して、元金均等返済というのは、毎回の返済額のうち、元金部分だけが均等で、利息部分は返済が進むにつれて減少し、元利合計の返済額も減っていく仕組みだ。 当初の毎回の返済額は元利均等返済より多くなるが、やがて元金部分が減って、元利合計の返済額も元利均等返済より少なくなる。結果的に、完済までの総返済額も元利均等より少なくなる。 図表3 元金均等返済のイメージ 「元金均等返済」でどれくらいメリットがあるか試算 金利の低い時期には、この差は大きくないが、金利が高くなると差が大きくなるため、これからの金利上昇時には、「元金均等返済」を利用するのが得策になる。 そこで、元金均等返済の場合の、金利別の毎月返済額と総返済額が、元利均等返済とどのくらい差があるのかを見てみよう。(図表4) 図表4 金利別の毎月返済額、総返済額の変化(元金均等返済) 設定条件:借入額5000万円、35年元金均等・ボーナス返済なし 金利0.5%だと毎月返済額は13万8144円で、元利均等返済の12万9792円より多くなってしまうが、完済までの総返済額は元利均等返済だと5451万2640円になるのが、元金均等返済だと5438万5416円ですむ。 当初の返済額は重くなるが、完済までの総額では12万7224円得することになる。 この程度の差なら、あえて当初の返済額が重くなる元金均等返済を利用するメリットはさほどないかもしれないが、金利が高くなるとこの差が大きくなる。 金利が1.0ポイント上がって1.5%になると総返済額の差は114万2390円と100万円以上の差になる。 さらに、2.5%だと元金均等返済は元利均等返済より314万6657円も負担が軽くなるのだから、当初の負担が若干増えたとしても、頑張って返済するだけの甲斐があるのではないだろうか。 金利が高くなれば、元金均等返済のメリットが大きくなる――これが金利上昇期に知っておきたい第一のポイントだ。