なぜ香川真司のJリーグ電撃復帰の可能性が海外メディアに報じられたのか…候補に浮上してきた意外なチームとは?
香川が生まれ育った兵庫県神戸市に本拠地を置くヴィッセル神戸も、幾度となく香川に興味を持っていると報じられてきた。 稀代の司令塔アンドレス・イニエスタとの契約を、来シーズンからさらに2年間延長した神戸は今夏に日本代表FW大迫勇也、元日本代表FW武藤嘉紀、元スペイン代表FWボージャン・クルキッチを獲得。日本中のサッカーファンを驚かせた大型補強にも、神戸のオーナーである楽天の三木谷浩史会長兼社長はこう語っていた。 「非常に魅力的なクラブ、リーグを作っていきたい。Jリーグはこぢんまりとまとまっている感もある。パリ・サンジェルマンではないけれども、大きな投資や魅力があり、経済的にもサスティナブルになるのが目標だと考えています」 ピッチ内外で思い描く青写真をさらに具現化させる意味でも、日本代表で「10番」を背負い続け、2度のワールドカップに出場した香川の獲得は目的に合致する。 ただ、前出の『ノヴァ・スポーツ』が複数と報じたなかには、セレッソや神戸とは別のクラブが含まれている可能性も十分に考えられる。それはFC東京となる。 東京ガスサッカー部を前身とするFC東京のプロとしての出発点を振り返れば、東京ガスなど161団体が出資して1998年に設立された東京フットボールクラブに行き着く。 特定企業の影響を受けない方針のもとで運営されてきたが、2018年から主要株主として出資してきたIT大手のミクシィ(本社・東京都渋谷区)が株式の過半数を保有し、来シーズンからの経営権を取得する方針を固めたと報じられている。 首都・東京を本拠地とするのにふさわしいビッグクラブを目指し、ピッチ内外で変貌を遂げる変革元年へ。16日付の一部スポーツ紙ではアーセナルを率いた名将、アーセン・ベンゲル氏をアドバイザーとして招聘する動きがあるとも報じられた。 ピッチ内へ目を向ければ、先月には日本代表DF長友佑都が約11年ぶりに復帰。そこへ日の丸を背負って長友と長く共闘してきた香川も加わる陣容が実現すれば、新体制下で大改革を押し進めていく上での最大の目玉になる。 いずれも可能性の域を出ないが、ただひとつ言えるのは、PAOKにおける香川を取り巻く状況は変わらないこと。勝ち点で並ぶヴォロスをホームのトゥンバスタジアムに迎える、日本時間17日深夜の大一番でもまず出番は訪れないだろう。もどかしさを募らせる時間が増えるたびに、香川の決断も急ピッチで促されていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)