「ジェットスター・ジャパン」でストが頻発する理由。ライバルのLCC・ピーチとの違いとは【訂正アリ】
会社側の「奇襲」
解決には双方が譲歩することが不可欠なのであるが、会社側は一歩も引かなかったように見える。会社側が団体交渉真っ盛りの3月29日正午開始の「記者レク」と称した記者会見の開催招集を報道陣にメール送信した。 それは開始時間の何と1時間7分前という急なことだった。都内千代田区での開催であり、複数の報道機関は駆け付けることができたものの、これほどまでの急な開催は、異様な出来事だ。この訳を知るのは、もう少し後のことになる。筆者は都内在住であったので、執筆の手を止め会場にたどり着くことができた。この記者レクの様子をお伝えしたい。 登壇者は、ジェットスター・ジャパン執行役員構造改革室人事・IT統括田中正和氏と人事本部長森川秀樹氏の2名であった。この記者レク開催にあたって、ムービーとスチール(静止画)の撮影全般が禁止されており、記者がPCへ会話内容を打ち込むカタカタという音だけが小さく響く状況の中で始まった。
ジェットスター「記者レク」で語られたこと
会社側の発言要旨は次の通り。3月下旬の組合との団体交渉などの時系列の開催説明に加えて、組合側と合意できた内容は以下の通りと説明した。 1.残業代の未払いはシステムの不具合によるもので、改修され支払うことで合意した。 2.コロナ禍中の通勤費減額分(※4)は、2年以内に支払うことで合意した。 3.組合事務所の要求に関し、成田事務所のレイアウト替え中であり、調整して用意する。 (※4 記事公開当初、“通勤費未払い”と表記していましたが、謝りだったため訂正しました。2024年4月20日編集部追記) 今回の組合側ストライキの最大の懸案事項であった、(組合の執行部でもある)機長1名の懲戒処分については「一連の組合活動とは関連しておらず、複数の社員からの長期間にわたる当該機長による複数の事例について、会社は慎重かつ公正に調査を行った結果、就業規則に反する重大な違反行為であることが認められた」とし、複数の社外専門家を交えたかたちで事案について検討を進めた結果、「パワハラ」を認定し、懲戒処分(※2)としたことを明かした。 また、会社側はストライキの開催における事前告知のタイミングについては、会社の公共性にのっとり、大規模スト(15名以上)で48時間前、小規模(同未満)で前日18時までに通告することを組合側に要請したと報告した。